新型コロナの後遺症には「漢方薬」が効果的

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「セイメイ内科」院長で漢方薬専門の韋晴明氏が3月17日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。漢方薬の特徴について語った。

新型コロナの後遺症には「漢方薬」が効果的

※画像はイメージです

「八味地黄丸」 ~漢方医も飲む不老長寿の薬

新行市佳アナウンサー)お医者さんご自身が病気になったり、「きょうはあまり体調がよくないな」というときに飲んでいる漢方薬は何ですか?

韋)1つは「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」です。これは疲労回復に最も早く効きます。あとは私も老化現象が出てきたなと思っているので、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」を飲んでいます。どの症状に効くというよりも、長く飲んでいるとご利益がある薬で、いわば「不老長寿の薬」のようなものです。普段は八味地黄丸を飲んで、ときどき補中益気湯を使うという感じです。

病気になる手前の「未病」を治す ~体質の偏りを漢方で修正する

新行)体調不良とまではいかないけれども、「自分の体質を変えたい」ために漢方を使うこともあるのですよね?

韋)漢方は病気になる一歩手前の「未病」を治すと、早くよく効くという考えもあります。体質の偏り、冷えやのぼせを逆の方向に持っていくと病気になりにくく、また病気も早く治るという発想です。

新型コロナの後遺症にも効く漢方薬

新行)コロナ後遺症の話を耳にしますが、それに対する漢方薬はありますか?

韋)私のところではコロナの後遺症外来がありますので、コロナ後遺症に悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。後遺症のなかでも多いのが倦怠感やだるさです。倦怠感やだるさにはまず、補中益気湯を試していただきます。

新行)補中益気湯。

韋)これで改善される方も多いのですが、コロナ後遺症はとにかく無理をしてはいけません。徐々に活動を上げていただきたいのです。頑張りすぎてしまうとその反動が出てしまうので、無理は禁物です。

新行)無理をしてはいけない。

韋)咳が止まらず、筋肉痛があるような方や、味覚や匂いがわからない方もいらっしゃいます。また、脱毛が気になる女性の方も多いようです。そのような症状に対して、それぞれの患者さんの体質を考えながら漢方薬を処方します。多くの方は1ヵ月くらい、長くても半年くらいでよくなります。

新型コロナの後遺症には「漢方薬」が効果的

韋晴明氏、新行市佳アナウンサー

漢方薬は高血圧やコレステロール値を下げるような「数字の上げ下げ」には向かない

新行)改めて漢方を上手に取り入れる基本的な考え方を教えていただけますか?

韋)漢方薬はいろいろな症状に効きますし、赤ちゃんからお年寄りまで、男性でも女性でも、どなたでも使うことができます。

新行)赤ちゃんからお年寄りまで。

韋)ただ、高血圧なので漢方で血圧を下げたいとか、コレステロール値が高いので漢方で下げたいという方がいるのですが、漢方薬は数字の上げ下げには向いていません。漢方薬ができた当時、高血圧やコレステロールという概念はありませんでした。

新行)数字の上げ下げには向かない。

韋)数字を下げるだけなら西洋薬の方がよく効きますし、効率的です。ただ、高血圧で血圧を下げたのだけれど、まだ頭が重いなど不快な症状が残る場合には、漢方薬の出番だと思います。漢方はあくまでも症状を改善する薬で、数字を増やしたり減らしたりする薬ではないということです。

漢方薬に万人向けの薬はない

韋)またもう1つ、漢方薬に「万人向け」の薬はありません。この薬なら誰が飲んでも絶対に大丈夫だという薬はないのです。西洋医学は病気を標的として治療しますが、漢方は病気ではなく、個人を標的として症状を改善するものです。同じ病気でも、人によって使う薬が全然違います。体質に合わないと症状が改善するばかりか、逆に具合が悪くなることもあります。漢方治療の面白さと難しさはそこにあるのだと思います。

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モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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