環境の変化から起こる腹痛や下痢、便秘は「過敏性腸症候群」を疑え
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東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が3月20日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。春の季節に多い過敏性腸症候群について語った。
過敏性腸症候群 ~腹部症状と便通異常の症状
飯田浩司アナウンサー)今回は便通異常を起こす過敏性腸症候群について伺います。どういう病気なのでしょうか?
鳥居)よく「敏感肌」と言うのと同じで、腸も敏感になるといろいろな症状が出てきます。1つは腹痛や腹部不快感などの腹部症状です。もう1つは下痢や便秘などの便通異常。この2つが症状の中心になります。特に潰瘍などの器質的疾患がなくても、そういう症状が出るのがこの病気の特徴です。
ストレスが影響して発症
飯田)過敏性腸症候群は春に多いのですか?
鳥居)症状の原因として、ストレスが大きく影響します。春は卒業や入学、就職などがあり、環境が変わります。環境が変わるときにストレスを受けやすいと言われています。
飯田)環境が変わることで。
鳥居)ストレスによって腸の運動異常や感覚異常が起きる場合があります。腸が動きすぎたり、または動かなくなる。あるいは敏感になって、痛みを感じるような病態になると考えられています。
飯田)潰瘍等々の症状がないのに起こってしまう。
鳥居)大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病などの器質的疾患はないのだけれども、いろいろな症状が起きてしまうのが特徴です。
過敏性腸症候群の治療方法
新行市佳アナウンサー)治療はどう行われるのでしょうか?
鳥居)薬物療法が中心になります。それから簡易精神療法、いろいろな話をして原因を聞くような方法もあります。
飯田)簡易精神療法。
鳥居)一般的なものでよく聞かれるのは、認知行動療法です。「なぜこの病気になったのか」を自分でもう1度考え、行動や運動で治していきます。
過敏性腸症候群を防ぐにはストレスを回避すること ~75点主義やウォーキング
新行)過敏性腸症候群を防ぐ方法はあるのでしょうか?
鳥居)敏感な方がなりやすいと言われていますので、ストレスを回避することです。ストレスを回避する方法としては、100点を狙うとどうしてもストレスがかかります。そうではなく、75点くらいで満足する75点主義の考え方が、ストレスを抑える方法になります。
飯田)75点主義。
鳥居)それから適度な運動として歩くことです。いまはよい季節ですので、周りの景色を見ながらゆっくり歩くと、セロトニンなどの代謝がよくなり痛みを抑えられると言われています。腸の動きも適正化されると思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます