経済アナリストのジョセフ・クラフトが5月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナ情勢について解説した。

反転攻勢に備えたウクライナ軍の訓練=2023年4月20日 ウクライナ南部ザポロジエ州 写真提供:産経新聞社
ウクライナが反攻準備
飯田)ウクライナ情勢に関して、戦車230台が到着し、反攻準備が整ったと言われています。ウクライナ情勢も先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)では大きな議題になると思いますが、どうご覧になりますか?
クラフト)G7では「ウクライナへのさらなる支援を継続する」という表現に留まると思います。ただ、通常は軍事的に考えた場合、反攻を発表することは手の内を明かすようなものであり、おかしいですよね。
アメリカの情報漏洩事件
クラフト)しかし、既に春の攻勢については報道が出ていますし、ロシア側もわかっているので、隠してもあまり意味がない。むしろ大々的に発表することによって、ロシア兵の士気が下がれば効果的ではないかと思います。そして、裏のストーリーとして重要なのは、一連のアメリカによる情報漏洩がありました。
飯田)空軍州兵の。
クラフト)あの事件で、欧米側のウクライナ支援が揺らいでいることが浮き彫りになったのです。ですからゼレンスキー大統領としても、ある程度の陣地を取り返し、西側の支援が功を奏しているという一定の成果を見せないと、今後の支援の在り方が揺らいでしまう。むしろ欧州側から交渉を仕向けるような声が強まってくる可能性があります。
飯田)停戦交渉ということですね。
クラフト)ゼレンスキー大統領にとっても正念場であり、結果を出すことが求められていると思います。
飯田)そういうメッセージも情報戦の一環なのですね。
クラフト)そうです。