運とタイミング……取材中のささやかな幸せ
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「報道部畑中デスクの独り言」(第331回)
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、「運とタイミング」について---
忙しいなかにも、ささやかな幸せはあるものです。
最近は国会の会期末が迫っていたこともあり、昼食もなかなか落ち着いてとることができず、移動中のラジオカーで済ませることがしばしばでした。そんななかで重宝したのは、やはりコンビニ。例えばローソンの「からあげクン」は手軽な「たんぱく源」になります。
先週6月16日、午前のニュースデスクの業務が終わってラジオカーへの乗車前、会社近くの店舗に立ち寄ると、店員がちょうど、ホットスナックのショーケースのなかにからあげクンを入れているところで、運よく“できたて”の商品をゲットすることができました。
あわせて購入したおにぎり、野菜ジュースとともにラジオカーのなかで食します。その時間は10分程度。普段の(?)からあげクンももちろんおいしいのですが、できたての唐揚げの熱々で柔らかくジューシーなこと……こんなからあげクンは初めてでした。
これはぜひと、ラジオカーのドライバーにもおすそ分けしたのですが、「こんなおいしいの初めてですね」と顔をほころばせていました。
よく見ると、いまは期間限定で1個1個のサイズがひと回り大きく、「でからあげクン」になっているとのことで、これも味に寄与しているのかも知れません。ともあれ、できたてのからあげクンに遭遇したこと……まさに「運とタイミング」がなし得た幸せなひとときでした。
さて、その後到着した取材先の国会、この日は内閣不信任案が立憲民主党から衆議院に提出されましたが、反対多数で否決されます。与野党の攻防が今国会で頂点に達した日でしたが、野党同士の溝が深まる結果にもなったようです。
「年中行事のように前例、慣例でやっているから出すとか、野党のメンツがあるから出すというのは間違っている。何のためにやっているのか? もっと真剣に、不信任案は一国のトップを挿げ替えるかどうかという、一般の法律より大事。そういったことを腹に入れて対応していくべき」(日本維新の会・馬場伸幸代表)
「年中行事と批判する人たちは国会のルールや重要性も理解していない。大変残念。1つ1つが年中行事というのなら、代表質問や法案を出すのもやめたらいい。全部、年中行事だから。大事な不信任案の提出をそのように揶揄するのは、本当に民主主義を理解していない」(立憲民主党・泉健太代表)
不信任案否決後の両党党首の発言です。次期衆議院選挙は政権の行方もさることながら、この両党の議席争いも大きな焦点となりそうです。
一方、会期末を前に、永田町に吹き荒れていた「解散風」。岸田文雄首相が6月13日の記者会見で「会期末間近になっていろいろな動きがあることが見込まれる。情勢をよく見極めたい」と述べたことで、「すわ、解散かも」と、議員のみならず、メディアも巻き込んで永田町界隈が色めき立ちましたが、その2日後、首相は「今国会では考えていない」と明言。「解散風」はひとまず収まることとなりました。
内閣不信任案、解散権、ともに「伝家の宝刀」と言える手段をどう扱うか……各党の“神経戦”が続いたここ1週間でしたが、結局「当面は解散せず。一方、重要法案は通った」……防衛費財源確保法、LGBT理解増進法などの重要法案が成立した一方で、首相の解散権は「温存」されました。首相が宝刀を抜くのは秋の臨時国会前後ではないか……そんな噂がくすぶります。
首相の解散権、野党の内閣不信任決議案……自らを有利に導くためには、こちらも「運とタイミング」が重要なのでしょう。とはいえ、できたてのからあげクンのごとく、それが人を幸せにするかと言えば、かなり次元が異なると言わざるを得ません。
今年(2023年)の通常国会は6月21日に閉幕する予定です。(了)
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