かつてあった「強いパイプ」が存在しない自公の関係

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ジャーナリストの鈴木哲夫が6月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党と公明党の関係について解説した。

かつてあった「強いパイプ」が存在しない自公の関係

参院本会議で令和5年度予算が成立後、あいさつ回りで公明党の山口那津男代表(中央左)と握手する岸田文雄首相=2023年3月28日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

菅元総理と元日本維新の会代表・松井一郎氏の関係 ~公明党と維新の会に何かあっても上手く自民党が絡めた

飯田)自公の関係ですが、大阪では維新も絡んでくることになります。少し前までであれば、維新と自民には意思疎通があった。

鈴木)菅さんと松井一郎さんですね。自民党が野党のときから菅さんは大阪に通っていました。自民党が野党のときからですよ。

飯田)維新が最初に「太田府政ではダメだ」と、いろいろな人を担ごうとした時期に。

鈴木)そのころ、菅さんは月1回ぐらいのペースで大阪に通い、松井さんと「いつか一緒にやろう」と関係をつないできたのです。

飯田)松井さんと。

鈴木)ある日、私がキャストを務めているテレビ番組で、菅さんが本番前に遅れて来たことがありました。「どうしたのですか?」と聞いたら「大阪に行っていたのだよ」と。「何をしに行ったのですか?」「維新と……」などという話を聞かされたこともありました。

飯田)そうでしたか。

鈴木)そういう意味では強固なパイプがあったから、公明党と維新が喧嘩しても、上手い具合に自民党が絡むこともできた。

安倍元総理と元公明党代表・太田昭宏氏の強いパイプ

鈴木)自公の関係でも、強いパイプがあったわけです。

飯田)自公の間にも。

鈴木)よく菅さんと、公明党最大の支持団体である創価学会幹部の副会長さんの名前が取り沙汰されるけれども、それだけではありません。引退した太田昭宏さんもいます。

飯田)元代表の。

鈴木)元代表で国交大臣も務めた太田さんと安倍さんは、本当につながっていました。何かあると太田さんが安倍さんのところに行き、1対1で話していました。

自民党・大島氏と公明党・漆原氏など、かつては強いパイプがあった ~現在は自公のパイプが存在せず、「幹事長同士」「代表と総裁」となってしまう

鈴木)それ以外に幹事長レベルや国対レベルでも、例えば自民党の大島さんと公明党の漆原さんなど、強いパイプがあったのですよ。しかし、いまはそういうものがない。

飯田)受け継がれていないのですか?

鈴木)受け継がれていません。いまの幹部たちで何人かは間に入っている人もいますが、この辺りのパイプが薄いのも自公が乱れる原因だと思います。パイプがないのは大きい。

飯田)いきなり幹部同士のオフィシャルなところに、「幹事長同士」「代表と総裁」などとなってしまう。

鈴木)それでは無理でしょう。

飯田)細かいところまで詰められないですよね。

「自民党は自公の関係を見直すべきではないか」という意見もある ~現実的には公明党の協力がなければ難しい

鈴木)これをきっかけに「自公の関係を見直すべきではないか」と、ある種の主戦論のようなものもあるし、この番組で以前、自民党の平沢勝栄さんと電話をつないだときは「公明党の協力がなくても勝てる自民党でないとダメだ」と言っていましたよね。

飯田)平沢さんのところは地盤も固いですし。

鈴木)あの人は公明党と戦ってきましたからね。

飯田)そうですよね。

鈴木)そういう主戦論も出てきているけれど、だからと言って、いま本当に関係を崩して自民党が全員当選できるかと考えると、相当厳しいわけです。公明党の協力がなければ難しい。主戦論も正論ではあると思います。本来なら分かれてお互いにしっかりやるべきだというのは、1つの論だと思います。

飯田)別々の政党だから。

鈴木)でも、それができない現実があるのです。

「解散」のポイント

飯田)こういう話が出てくるのは、少し前に解散風が吹いたけれど結局は国会が閉じたので、「次はいつだ」となるからですよね。

鈴木)でも、我々は「解散の可能性は薄い」と言っていましたが、当たったではないですか。

飯田)それほど動いてはいなかった。

鈴木)実態は動いていなかったのですよ。解散は今後、最短でも秋ぐらいではないでしょうか。

飯田)秋の臨時国会。

鈴木)岸田さんはいま支持率が低いけれども、今後は人事と外交ですよ。岸田さんは外交で前にもポイントを上げたから。

飯田)サミットも外交ですからね。

鈴木)いま、政府は盛んに北朝鮮のことを発信しています。また、北大西洋条約機構(NATO)にも行きます。

飯田)7月はNATOに行き、中東にも行くという話が出ています。

鈴木)だから日中もあるかも知れません。そういうもので支持率を上げてから解散に持ち込む。来年(2024年)は増税論議になっていくので、最短で秋でしょう。ここを逃したら増税論議が終わり、予算が上がる来年の春です。この辺りが解散の次のポイントになると思います。

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