立憲民主・福山氏「共産党との共闘は二度とごめんだ」 泉代表が「野党各党と調整を行う方針」を示すも 

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ジャーナリストの須田慎一郎が7月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。次期衆院選に向け、泉代表が野党各党と候補者調整を行う考えを示した立憲民主党について解説した。

立憲民主・福山氏「共産党との共闘は二度とごめんだ」 泉代表が「野党各党と調整を行う方針」を示すも 

会見する立憲民主党の泉健太代表=2023年7月7日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

立憲民主党、次の衆議院選挙に向け野党各党と調整へ

立憲民主党の泉代表は7月5日、次の衆院選に向けた野党間の候補者調整について、従来の方針を転換し、野党各党との候補者調整を行う考えを示した。7日の記者会見でも「自民党に対峙する大きな枠組みをつくれるのか、その可能性は持っておきたい」として、調整を行う考えを重ねて示した。

飯田)自民党に対する大きな枠組みをつくれるか、ということですが。

立憲民主党が共産党との連携を否定してきた方針を転換した理由

須田)この場合の野党協力というのは共産党のことですが、共産党との連携を「取るのか、取らないのか」については、当初から泉代表は一貫して否定的なスタンスを取ってきました。

飯田)これまでは。

須田)ここへ来て、その点については方針転換した。なぜそうなったのかと言うと、党内からの突き上げもあったと思いますし、小選挙区において各選挙区を平均すると、共産党の持っている票数は大体1万票~2万票と言われています。

飯田)共産党の票が。

須田)その票すらも欲しい、その票がないと当選できない状況の立憲民主党の所属議員や候補者から、「共産党と連携するべきだ」という声が出てくるのは当然です。「それに対してどう対応していくのか」が大きな課題になっていたのだと思います。

飯田)これに関しては、支持母体である労働組合のなかでも賛否ありますよね。

須田)共産党系の労働組合と連合は水と油です。かねてからの長い歴史のなかで対立関係があるので、簡単にはいきません。

共産党との共闘には党内からもブレーキが

須田)もう1点、私は立憲民主党の福山哲郎さんに直接お話を伺ったことがあるのですが、かつて「立憲共産党」と呼ばれたときがあったではないですか。衆議院選挙で全面的に選挙協力や候補者調整をした結果、そのようなレッテルが貼られてしまい、ある意味でのネガティブキャンペーンになってしまった。

飯田)ありましたね。

須田)協力しているのだから仕方がないことですが、それについて「本音ベースではどう思われますか? どう受け止めたのでしょうか?」と聞いたら、「苦しかった。もう二度とごめんだ」という言い方をされていたのです。その状況に再び戻っていくことになれば、党内からもブレーキは掛かると思います。

党内で平場で議論し、決まった方針については全員が従うべき

飯田)一方で小沢一郎さんなどが超党派で議連をつくり、野党共闘を進めていくというメッセージを出したりと、バラバラな感じに見えますよね。

須田)それについては党内で、平場で議論して方針を決め、「決まった方針については全員が従う」という従来の政党としての対応を取るべきだと思います。決まったにも関わらず反対する、あるいは密室で決めてしまうのではなく、きちんと立憲民主党は立憲民主党のなかで議論するべきだと思います。

次期衆院選でどう動けばいいのかを模索する立憲民主党

飯田)このようなニュースが出てきているのは、やはり「選挙が近いぞ」ということですね。

須田)選挙が近いというよりも、秋になろうが来年(2024年)の春になろうが、いずれにしても、まったく展望が開けていない。立憲民主党の支持率が上がっていかないなかで、とは言っても選挙は間違いなくやってくるのだから、そのときにどうするべきなのか。どうすれば自分や個々の国会議員が当選できるのか、というところを考えているのだと思います。

国民民主党・玉木代表「共産党と組む政党とは一切調整しない」

飯田)国民民主党の玉木代表は候補者調整について、「共産党と組む政党とは一切調整しない」と述べています。これは泉さんに対してNOということですか?

須田)そうですね。思想・信条的にも相容れないわけですし、加えて政策面でも合致しないのに、ただ選挙のためだけに候補者調整を行ったり、協力するというのは本当に野合ですよ。玉木代表の言う通り、政策や思想・信条で合致するなら積極的にやればいいのですが、できない以上、軽々に行うべきではないと思います。

日本維新の会の目標は野党第1党になることではなく、政権交代の受け皿をつくること ~野党第1党の座が居心地よく、その場に甘んじている立憲民主党との差

飯田)野党第1党争いとなると、立憲と維新のどちらかという話になる。維新はそれを狙っていくということも言っています。

須田)維新の場合は、そこがゴールではありません。「政権交代の受け皿をつくる」ということがゴールなので、野党第1党になることも大事ですが、それだけを強く意識しているわけではありません。

飯田)野党第1党になることだけを考えているのではない。

須田)片や立憲民主党は、野党第1党の座が非常に居心地がいいのです。しかし、政権の受け皿になるような意欲や考え方が見えてくるかと言うと、まったく見受けられない。ここは立憲民主党の最大のウィークポイントだと思います。維新の会が右肩上がりに伸びている理由は、政権の受け皿になろうという意欲を露わにしているからだと思います。

飯田)その先で「これがやりたい」という目標があるわけですからね。

須田)立憲民主党の場合、「選挙協力するのなら共産党と立憲民主党の連立政権なのですね」と言うと、急に口ごもるではないですか。

飯田)それはやってみてからだ、というような話になる。

須田)その辺りに覚悟が見受けられないのです。だから有権者が離れてしまっているのではないでしょうか。

公明党との連携がなければ当選できない議員が少なくない自民党 ~公明党との関係を見直すことができない

飯田)一方の与党側ですが、選挙で10増10減に絡み、東京ではまだ公明党との問題が解決されていません。目処はつきそうなのですか?

須田)マクロの視点で見ると、世論調査では「公明党との関係を見直すべきだ」と答えている回答者が50%を超えているのです。

飯田)関係を見直すべきだとする意見が。

須田)この結果を考えてみると、それぞれの候補者、あるいは現職議員の支援者・支持者も同じような考え方をしていると見るべきです。公明党との距離感をどのように受け取るのか。とは言っても、立憲民主党の議員や候補者にとっての共産党と同じように、公明党の票がなければ当選できない人も少なくありません。

飯田)小選挙区1つ当たり、やはり1~2万票と言われていますよね。

須田)その辺りのことを考えると、やはり背に腹は代えられない状況があるのかなと思います。

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