自衛隊人材確保 「海上でのスマホ使用可能化」など、新たな時代に適応する柔軟性が必要

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二松学舎大学国際政治経済学部・准教授の合六強が7月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。有識者検討会が取りまとめた自衛隊の人材確保に向けた報告書について解説した。

自衛隊人材確保 「海上でのスマホ使用可能化」など、新たな時代に適応する柔軟性が必要

※画像はイメージです

自衛隊の人材確保に向けた報告書

自衛隊の人材確保に向け、2023年2月に設置された有識者検討会が7月12日に報告書を取りまとめ、民間からの高度な人材を任期付きで採用することなどが提言された。提出された報告書は、自衛官の待遇の改善と外部人材を含めた人材確保を軸に検討がなされていて、サイバーや宇宙分野を念頭に民間から高度な人材を任期付きで採用するため、「特定任期付自衛官制度」の新設を検討すべきとした。給与は最大で事務次官級の2000万円ほどを想定している。

報酬を上げなければ人が集まらない ~根本にあるのは先進国共通の課題である「少子化問題」

飯田)人材確保において、特に報酬に関しては、やはり公務員だと事務次官クラスのようなものが最高になってしまうのですね。

合六)給料を上げないと人が集まらないですよね。そもそも根本問題としてあるのは少子化なのです。

飯田)少子化問題。

合六)少子化問題は、多くの先進国が抱える共通課題ですので、各国がどう対応しているかを横目で見ながら、勉強できるところは勉強したらいいと思います。

飯田)横目で見ながら。

合六)特にIT分野から人を引き抜いて、サイバー対策の人材を育てる。あるいは中途採用し、即戦力の形で活かしたいと思うと、やはり給与が問題になるので、具体的な措置に踏み切れるかどうかですね。

アメリカはDARPAの予算で人材を引き抜くが日本では難しい ~給料を含めた待遇全体のギャップをどうクリアするか

飯田)アメリカはDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency/国防高等研究計画局)にかなり予算があって、そこからITベンチャーなども引っ張ってくることがありますが、日本では難しいでしょうか。

合六)海外は労働市場が流動的ですよね。民間から官に行き、官から民間に行く。日本も決してないわけではないですが、普通に行われているかと言うと、そうではないと思います。

飯田)日本ではなかなか難しいですね。

合六)給料のギャップ、あるいは待遇全体のギャップもあると思います。生産年齢人口が減っていくなかで、人材獲得競争は民間でも官でも関係なく起こります。どのようにインセンティブを働かせて、よい人材を取るかというところは重視されなければならないと思います。

海上自衛隊の場合、海上に出るとスマートフォンを使えない ~新たな時代にどう適応していくか

飯田)現場で募集している人に話を聞くと、公共セクターで働こうと思うと、自衛隊・警察・消防・海上保安庁などを横並びで検討する。しかし、「早期退職制度などで負けてしまう」という話を聞きます。諸外国であれば恩給があるからカバーできるのでしょうけれど、なかなかそれも難しいようですね。

合六)うちの学生でも、そういう分野を希望する学生はいるのですが、決して多くはないですね。

飯田)多くない。

合六)ときどき自衛隊を希望する学生もいるのですが、特に海上自衛隊では、いまどきの子からするとスマホが使えないのはかなり大きな問題です。それをどう克服するかは悩ましいと思うのですが、新たな時代に軍としてどう適応していくのかも、考慮する材料になってくると思います。

環境に適応するためには、いろいろなことを柔軟に変えていく弾力性が必要

飯田)軍による環境への適応もありますが、いろいろなものに適応しなければなりませんね。

合六)そうですね。時代の変化が激しいので、環境に適応したものが勝つ。環境に適応できればできるほど、有利な条件で人材を確保できます。例えば、国際的なルールをつくることもあるので、そこは柔軟に変えていく。ある種、弾力性のようなものが必要になると思います。

偽情報に対して、官が民間とコラボレーションしながら対応することが必要に

飯田)これまでは全部自前で人材確保、あるいは技術面にも対応してきました。しかし、提言書にもあるように民間から人を入れたり、あるいは技術を持ってくるなど、「デュアルユース」と言われるようなものが今後は重要になってきますか?

合六)NATO首脳会議でも今回、日本とNATOとの間で協力文書が新たに作成され、偽情報対策も1つの優先事項になっています。

飯田)偽情報対策。

合六)偽情報にどう対応するかと言うと、ヨーロッパでは「EU」vs「Disinformation」……まさに偽情報ですが、ロシアを中心として各メディアに出てくるファクトに基づかないディスインフォメーションに対し、1つひとつ事実を突きつけて反論するという対策を取っています。

飯田)偽情報に対して。

合六)こういったものを官があまり主導しすぎると、官・政治に都合の悪いことという形で、ある種の政治介入になってしまう可能性があります。そういった部分は民間とうまくコラボレーションしながら、偽情報に対応する必要があると思います。

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