川勝・静岡県知事の不信任決議案否決 「クビにする手段を封じられた敵対議員」辛坊治郎が解説

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キャスターの辛坊治郎が7月13日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。静岡県の川勝平太知事の給料返上問題を受け、静岡県議会の最大会派、自民改革会議が12日提出した知事不信任決議案が否決されたことを巡り、「クビにする手段を封じられた」と解説した。

川勝・静岡県知事の不信任決議案否決 「クビにする手段を封じられた敵対議員」辛坊治郎が解説

定例記者会見に臨む川勝平太・静岡県知事 2023年7月11日、静岡県庁 写真提供:産経新聞社

静岡県の川勝平太知事が失言で辞職勧告決議を受け、返上を表明していた給料など約440万円が実際には返上されていなかった問題で、静岡県議会の最大会派である自民改革会議は12日、県議会に川勝知事の不信任決議案を提出した。採決の結果、賛成50人、反対18人で、賛成が可決に必要な4分の3にあたる51人に達しなかったため否決された。

辛坊)知事が給料などを返上するためには、新たな条例が必要になります。しかし、川勝平太知事の言い分によると、議会の過半数が敵対しているので、該当する条例案を提出しても、どうせ可決してくれないということになります。実際に、条例案は提出されていません。

ただ、川勝知事と敵対している議員たちの本音は、こうだと思います。川勝知事をクビにして、川勝知事が反対しているがゆえに進まないリニア中央新幹線の県内のトンネル工事を進展させたいのではないでしょうか。川勝知事をクビにするための方法はいくつかありますが、最後の手段として不信任決議案を出してきたのだと思います。

不信任案は、議員の3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成すると可決されます。不信任案が可決すると、知事は10日以内に議会を解散しない場合、自動的にクビになります。では、議会を解散した場合、どうなるでしょう。解散後初の議会で再び不信任案が提出されると、可決には議員の過半数が賛成すればよくなるため、可決のハードルが下がります。

今回、不信任案がもし可決していたら、川勝知事の性格からすると、自動失職ではなく、解散を選んでいたでしょう。そうすると選挙になりますが、議員の顔ぶれはそう簡単には変わりません。今回の不信任案の採決では可決に1票足りなかっただけですから、解散後初の議会で再び不信任案の採決が行われれば、可決のハードルが下がるため、可決はまず間違いないです。さらに、可決されれば、川勝知事のクビは確定します。

今回、リニア建設の最後の手段として、誰が動いたのか分かりませんが、仕掛けてきたのだと思います。ところが、不信任案が1票差で否決となったことで、川勝知事をクビにする手段は実質的には封じられたといえます。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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