ジャーナリストの有本香が8月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。福島第一原発の処理水の海洋放出について解説した。
文在寅政権を支えていた韓国野党議員団が議員会館の前で福島第一原発の処理水に抗議
飯田)福島第一原発の処理水の海洋放出について、韓国は政権が代わり、IAEAの調査報告書などを政府としては尊重すると言っています。しかし、国内外ともに処理水を政治的な思惑に使うところがありますよね?
有本)韓国政府も、政府そのものはとても理性的なことを言っていますが、私が7月くらいにたまたま永田町に行ったら、議員会館の前で、福島でもいろいろなことを言っていた韓国野党の議員団の人たちがいますよね。
飯田)「共に民主党」という、もともと文在寅政権を支えていた人たちですね。
有本)共に民主党の人たちに加えて、正義連の前代表で現在は無所属の尹美香氏たちが、お揃いのTシャツを着て一個連隊で騒いでいるのです。しかし、国会はもう閉じてしまっているので、議員会館の前に人などほとんどいません。多くの議員も地元に帰っていますから。
処理水の海洋放出を日本への嫌がらせの材料にする中国
有本)それを日本メディアの方たちも撮っていました。韓国と言うより、「韓国の文在寅政権を支えていた人たち」が騒いでいるだけなのです。
飯田)プラカードを見ると、「汚染水を流すな」などと書かれていました。
有本)「あなたのところは、その6~7倍のトリチウムが含まれている処理水を流しているでしょう?」と思います。韓国や中国はそのくらいです。その辺りはどうなっているのでしょうか。
飯田)そうですよね。
有本)韓国の左派、野党を中心とした人たちが政治に利用している。韓国メディアもそれに便乗しています。最近は韓国メディアも大人しくなってきましたが。さらに中国が騒いで、日本に嫌がらせのようなことをする材料にしています。
飯田)「大気に放出しろ」などと言っていました。
中国市場を頼りにすることは危険 ~パイナップルや観光客のターゲットを中国から他国へ移して成功した台湾
有本)いまはホタテ漁の最盛期に入ってきていますが、中国の影響で輸出が半減し、漁師さんたちが困っているという話があります。事情はわかるのですが、中国市場を頼りにすることはそもそも危険なのです。
飯田)中国市場を頼りにすることは。
有本)中国はいま台湾に対して、今度は「マンゴーを買わない」と言い始めています。
飯田)少し前にはパイナップルもありましたよね。
有本)2年前にパイナップルの輸入禁止があって、当時の台湾はそれを機に、日本市場に対してパイナップルを入れました。これが功を奏したわけです。
飯田)日本市場にスイッチしたことが。
有本)その前後で中国は、蔡英文政権に対する嫌がらせとして、旅行者を絞ってきたのです。団体旅行をやめさせ、個人旅行も台湾に入れないようにした。
飯田)個人旅行も。
有本)それも台湾側が動きを読み、東南アジアやオセアニアなどに大きくキャンペーンを張りました。その結果、総数としては中国からの観光客が来なくても済むくらいの数を確保しました。
政府は水産物の国内の需要喚起に取り組むべき ~政治的に利用されてしまう「中国頼み」を見直す
有本)日本もその辺りを考えなくてはなりません。食品もツーリズムも「中国頼み」というのは、政治的に利用されてしまうネタを提供しているのと同じです。大きく見直す必要があります。
飯田)中国頼みを。
一方で物流コスト上昇の原因となるガソリン価格を対策する必要がある
有本)水産物に関して、政府はもっと国内の需要喚起に取り組む必要があると思います。水産物に限りませんが、いまはいろいろなものが値上がりしています。原因の1つは流通コストが上がっていることです。ガソリンの値段が上がっているので、対策しないといけません。
飯田)船を動かすにも、エネルギー価格が上がっているわけですからね。
有本)収益性が低くなっているのです。また、国民の魚離れも深刻なので、国内の需要喚起を行い、魚価をもう少し上げていく努力に寄り添うべきだと思います。
飯田)「美味しくて手頃な値段であれば買う」と言う人はたくさんいます。物流のなかでも「常磐ものが入っています。美味しいですよ」というところはありますし、買われています。
有本)みんな魚は食べたいのですが、魚の方が肉よりも割高感があるように感じてしまうのです。魚価を上げつつ、「どのように消費者が手に取りやすい状況をつくるか」ということだと思います。
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