外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が9月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。洋上風力をめぐり逮捕された秋本衆院議員について解説した。
秋本議員が逮捕、馬主組合の資金を賄賂認定
飯田)秋本真利衆院議員が洋上風力発電事業をめぐり、受託収賄容疑で逮捕されました。
アメリカの場合、議員が特定の企業から金銭提供を受け、その企業を応援しても内容を公表すれば問題はない
宮家)私の捉え方は若干違うかも知れません。あえて申し上げるのは、外国と比べてどうなのかということです。
飯田)外国と比べて。
宮家)昔、アメリカのケースで「なるほどな」と思ったのですが、誤解を恐れず申し上げれば、連邦議会議員の場合、彼らは企業からお金を提供してもらっています。そうしなければ政治活動はできないわけですから。
飯田)企業から。
宮家)ただしルールがあって、内容はすべて公表されるわけです。公表される限りにおいては、特定の企業からお金をもらい、その企業を応援しても私は問題ないと思います。アメリカでは。
飯田)アメリカでは問題ないのですね。
問題があれば予備選で落とされてしまうアメリカ
宮家)もちろん、違法なことをすれば話は別です。しかしアメリカの場合、質問すること自体がすぐ「職務権限だ、だから賄賂だ」とはなりません。企業が議員にいくら払ったかを公表し、選挙民がそれを判断する。下院であれば任期は2年ですが、毎回予備選があるので、何か問題があればそこで落とされてしまうわけです。
飯田)アメリカの場合は。
宮家)日本は予備選もないし、一度議員になればずっと出馬が続くではないですか。
各国で違う
宮家)日本の政治資金の公表のやり方も、必ずしもうまくいっているとは思いません。結局、競走馬のためにお金を使ったなどという説明は姑息ではないですか。
飯田)馬主組合への資金提供。
宮家)趣味の競馬に使うという姑息なやり方をするのは如何なものかと思いますが、検察側もどこかで線を引かなくてはならないので、恐らく質問権を職務権限だという理屈を使ったわけです。これが「いいのか、悪いのか」という判断は各国で違うと思いますが、アメリカと比べると「ちょっと違うな」というのが私の印象です。
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