「ベタベタ耳」の人は耳を掃除する際、綿棒を奥に突っ込まないこと

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東京都医師会理事で「きくの耳鼻咽喉科クリニック」院長の市川菊乃氏が9月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「聞こえが悪い」という症状について解説した。

「ベタベタ耳」の人は耳を掃除する際、綿棒を奥に突っ込まないこと

※画像はイメージです

耳のゴミが溜まる「耳垢栓塞」

新行市佳アナウンサー)耳鼻科の症状別に、どんな病気が潜んでいるのか伺います。まずは「聞こえが悪い」という症状についてです。具体的にはどんな症状がありますか?

市川)音が伝わる順番で病気の話をしていきたいと思います。まず、耳に音が入ったら、外耳道を通って鼓膜に行きます。外耳道という耳のトンネルに病気があるとしたら、耳にゴミが溜まる「耳垢栓塞」です。

ベタベタ耳の人の場合、耳を掃除する際、綿棒を奥に突っ込まない ~鼓膜にゴミが付いてしまい、鼓膜が動きにくくなる

市川)耳のゴミの性質によって危険が少し違うのですが、ベタベタする耳垢の人は、少しでも汚れを溜めると外耳炎になりやすいのです。

新行)ベタベタ耳の人は。

市川)それを取るとき、耳の掃除は「クルクル」と回して、手前に引くだけにしていただきたいです。特にベタベタ耳の人は大変なのですが、ゴミを奥に突っ込んでしまうと鼓膜にくっ付いて、鼓膜が動きにくくなり、聞こえが悪くなります。

新行)奥に突っ込んでしまうと。

市川)奥に綿棒を入れて「ガサガサッ」と大きな音がするときは、ゴミがあるのではなく、鼓膜を直接綿棒がいじっていることになります。それも鼓膜炎という炎症を引き起こす原因になる場合があります。

鼻風邪から中耳炎になる場合も

市川)鼓膜も薄い皮膚なので、あまり触られていると薄くなり、穴が開いてしまいます。

新行)穴が開いてしまうのですか?

市川)もう少し奥に行くと、鼻とつながっている中耳(鼓膜の内側)の部分が「中耳炎」という炎症を起こします。鼻風邪を引いていても、耳に炎症が起こることがあります。子どもがよく起こしやすいのですが、大人でも強く鼻をかんだりすると汚い空気が耳に行くので、鼓膜が炎症を起こしやすいです。鼓室が炎症を起こして中耳炎になるのです。

「ベタベタ耳」の人は耳を掃除する際、綿棒を奥に突っ込まないこと

新行市佳アナウンサー、市川菊乃氏

風邪に罹って聞こえづらくなったら、なるべく早く病院へ

市川)年中、中耳炎がよくなったり悪くなったりしていると、そこに小さい骨が3つあって、内耳の方へ音の振動を増幅させているのですが、それが溶けてしまうのです。

新行)骨が溶けてしまう。

市川)そうなると慢性の中耳炎になって、手術が必要になります。手術すれば治るのですが、今度はいま言った骨の振動がうまくいかなくなる場合があります。

新行)骨の振動が。

市川)「うずまき管」とも言われる内耳の部分で、振動が電気的刺激に変えられて脳に行くのですが、よく「うずまき管が風邪を引いた」と表現しますけれど、そうなると聞こえが悪くなります。

新行)聞こえが悪くなる。

市川)周波数が決まっている担当細胞があるので、風邪の引き具合によって、音の聞こえる部分が違ってきます。それが3日くらい続いても治らないときは、できるだけ早く耳鼻科に行ってください。

新行)違和感を感じたら、なるべく早く病院へ。

市川)聞こえが悪くなって検査したら、突発性難聴かメニエール病かわからない状態になることもあります。5日以上経つと、予後が全然違います。「いずれ治るだろう」と思わず、なるべく早めに耳鼻科医に相談してください。

「突発性難聴」と「メニエール病」

新行)突発性難聴とメニエール病の2つは、何が原因で起こるのですか?

市川)突発性難聴は、うずまき管のなかの細胞がやられてしまうことで、聞こえの悪さが起こります。メニエール病は病態が決まっていて、内リンパ水腫と言われますが、例えば疲れると手や足がむくみますよね。それと同じように耳もむくむので、ストレスなども関係しています。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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