ジャーナリストの堀潤氏が9月19日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を、地元の福島県いわき市で取材した際の内田広之市長とのやり取りを振り返り、「地元いわき市に放出まで国からの連絡はなかった。海外に情報発信するより、まずは地元への説明から始めるべきだった」と指摘した。

東電福島第1原発の敷地に並ぶ処理水などを保管するタンク=福島県大熊町、双葉町(写っているのは大熊町) 撮影日:2021年01月06日 写真提供:産経新聞社
上川陽子外務大臣は19日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とニューヨークで会談し、福島第1原発の処理水海洋放出を巡る日本とIAEAの協力文書に署名した。処理水放出に対するIAEAの関与をより明確に示した。
堀)処理水放出の当日、福島県いわき市で取材をしました。いわき市役所で、内田広之市長にも話を聞きました。その際に、びっくりしたことがあります。
内田市長に「処理水放出から少し時間がたちましたが、いかがですか」と質問したところ、内田市長は「国からは直接、まだ何の説明も、連絡もないんですよ」と言ったんです。そうこうしていると、秘書から「経済産業省の職員の方が説明のために、特急列車に乗って、いわき市役所へ向かっています」という連絡が入りました。
処理水放出に関わるとても大事な情報について、国が地元に対して丁寧に説明していないなんて、おかしいですよね。「海外へ向け、情報の発信を強化します」といくら言っても、まずは地元の人たちが納得いく形で丁寧な説明から始めるべきでした。地元を取材してみて、そう思いました。