キャスターの辛坊治郎が10月2日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。ビッグモーターによる保険金の不正請求問題を巡り、「本質は正規販売店より修理費用が安いからではないか」と持論を展開した。
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ビッグモーター浦和美園店に立ち入り検査に入る国交省の職員=2023年07月28日午前、さいたま市緑区 写真提供:産経新聞社
ビッグモーターによる保険金の不正請求問題を巡り、損害保険大手4社が自主調査をしたところ、3割以上にあたる約1万7000件で不正の疑いがあることが9月30日、分かった。最終的な件数はさらに増える見込みだ。
辛坊)私は車両保険に入っていないので、マイカーが傷つくたびに自腹で直しています。自動車の修理費用は、メーカーの正規販売店と一般の修理工場では1桁ぐらい違い、正規販売店のほうが圧倒的に高いです。正規販売店に頼むと、新品の純正部品を使いますから高いのは当然です。
ビッグモーターと大手の損害保険会社が長年付き合っていた理由は、正規販売店へ修理に出すよりも、修理費用が安かったからだと思います。それが、保険金の不正請求問題の背景ではないでしょうか。
ビッグモーターの問題が明らかになった後、「こうした不正請求があるから保険料が高くなる。だから、自動車ユーザー全員が被害者だ」という指摘がよくありました。しかし、本質は全く違うところにあると思いますよ。ビッグモーターの問題が片付いたからといって、保険料が安くなるかというと、おそらく安くはならないだろうという気がします。
自動車の修理は定価をつけにくいです。車両保険に入っているユーザーからすると、「いくらかかろうと関係ない」という感じではないでしょうか。修理を依頼された側にしても、「新品の部品を使うと高いから、自前で直して、保険会社には高く請求しておこう」と考えるのだと思います。
こうした不正請求は、保険会社の担当者が個々の修理を付きっきり見ていない限り、見抜けません。それが、癒着の構図ではないでしょうか。そのうえで、現在の保険料が成り立っているのだと思います。私は昔から薄々気が付いていたので、車両保険には入らず、修理が必要になったら自腹を切ればいいという感覚でいます。