経済アナリストのジョセフ・クラフトが11月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。柿沢未途衆議院議員の事務所による「現金配布リスト」作成疑惑について解説した。
江東区長選挙をめぐり、柿沢衆議院議員の事務所が「現金配布リスト」作成か
東京都江東区の木村弥生区長が初当選した2023年4月の区長選挙をめぐり、自民党の柿沢未途衆議院議員の事務所が区議らへの現金配布状況を記したリストを作成した疑いがあることがわかった。このリストをもとに区議10人以上に現金の提供を申し出ていたとみられ、金額は1万円~数十万円と幅があった。
飯田)もともとはネット選挙についての話でしたけれど、選挙とお金の問題になってきました。
クラフト)選挙とお金の問題は未だになくならないのですね。ネット広告もそうですが、法務副大臣が陣中見舞い的なことをやること自体、間違っているのではないでしょうか。しかも1万円ですからね。もう1つ、配布側が取り締まりを受けることはありますが、なぜ受け取る側も罰を受けないのか。受け取る側も罰を受けるとなれば、少なくとも1万円を受け取ることはないと思います。リスクがないので受け取ってしまうわけです。
支持率が下がるなかで「政権交代」のリスクも高まる
飯田)区長選は熾烈を極めていたと言われますが、そんななかでこういうことが起きた。広島でもありましたし、なかなか消えないですね。
クラフト)岸田政権としては、定額減税への批判で支持率が下がっているなかで、このような問題が重なると「政権交代」のリスクが高まってしまう。法に基づいて早く検挙すべきだと思います。
一切の現金の受け取り・受け渡しは禁止にするべき
クラフト)そもそも、「陣中見舞い」を正当化していること自体が不思議で仕方ありません。陣中見舞いとは、選挙を見据えた資金提供ではないのかと思います。賄賂でしょうと。それを平気で「陣中見舞いだから大丈夫」と考えることは、私には理解できません。
飯田)公選法では当然、運動員買収に関しては重大な違反と定められており、そういう意図があったのかどうか……。
クラフト)そういう昔からのグレーな習慣はもうやめて、一切の現金受け取り・受け渡しは禁止にした方がいいと思いますね。
飯田)タイミングもタイミングなだけに。
クラフト)本当ですね。
このまま支持率が下がれば「岸田下ろし」も
飯田)副大臣としては既に辞任されていますが、その前には文科政務官の辞任もありました。この辺りの影響や政局を考えると、来年(2024年)の通常国会は6月ぐらいまで行われるとして、ここで解散が打てるのか……。総裁選は9月ですものね。
クラフト)解散が来年打てなくなると、政権がレームダック化してきます。そして、徐々に総理の支持率が党の支持率を下回ってきています。党の支持率を下回ると、党にとって重荷になるので、「この総理ではとても選挙は戦えない」という雰囲気になり、誰か他の候補が出てきたら「そちらの方がいいや」となってしまう。
国民の支持を得られない政策についてはやめてもいい
クラフト)そうすると来年9月の総裁選が危なくなります。岸田政権はやることをやっている割に、そういうところが評価されず、定額減税や人事の問題が表に出てくる。これを立て直さなければなりません。
飯田)「やることはやっているのに」という部分で、参院の世耕弘成幹事長が「情報発信の仕方なのだ」と、参院の代表質問で問題提起をしていましたが。
クラフト)よくそう言われますが、国民はそんなに無知ではなく、政策内容もわかっていると思うのです。政策自体に納得していないので、いくら説明されても腑に落ちないし、刺さってこない。国民の支持を得られない政策については、やめてもいいと思います。「すみません、間違っていました。定額減税はやめます」というくらいでいいのではないでしょうか。聞く耳を持つ総理ですから。
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