政策アナリストの石川和男がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のエネルギーリテラシー」に、元・東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所 助教でエネルギーサイエンティストの澤田哲生氏がゲスト出演。原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分問題について議論した。
「核のごみ」の最終処分をめぐっては9月27日、候補地としての適性を調べる事前調査を長崎県対馬市の 比田勝尚喜市長が受け入れないと表明。一方で、事前調査の第1段階である「文献調査」受け入れから約2年が経過した北海道寿都町の町議会選挙が10月3日に行われ、次の「概要調査」に進むことに賛成の議員が過半数を占める結果となった。
澤田氏は、日本で採用される「核のごみ」の最終処分方法について「地下300メートルより深い岩盤層にガラスと混ぜて固めて(ガラス固化体)、鉄の容器で覆って、さらにそのまわりを粘土で囲って埋め戻す」と解説。「地表近くには地下水が流れているが、地下300メートルになると、ほとんど地下水の流れはない。水はあるが止まっている、停留していて、浸食していかない」と指摘した。また、万が一ガラス固化体が破損し、高レベルの放射性物質が地上にまで達する危険性については「様々な想定のもと、20~30年以上かけてシミュレーションが重ねられており、ほとんど影響はないと言われている」とした。ただ、その結果に疑問をもつ人も多くいるため、今後も議論を深めていくことが重要だと述べた。
石川は「日々の暮らしで使う電気ひとつとっても、火力発電所からは二酸化炭素が出る。太陽光発電もいずれ寿命が尽きた太陽光パネルがごみになる。これまで恩恵を受けてきた原発も同じこと」と語り、他のごみ問題と同様に避けて通れない社会課題として、まずは「核のごみ」の処分方法などに関して知ることが大切だと指摘した。
番組情報
政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
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※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』