高市大臣「勉強会」 岸田総理の渡米タイミングで立ち上げた「狙い」
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが11月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党内に発足させた勉強会への批判に反論した高市大臣について解説した。
高市大臣が勉強会発足の批判に対し反論
高市経済安全保障担当大臣は11月20日の記者会見で、自民党内に発足させた勉強会への批判に対し「私は現職閣僚としてたくさんの議員連盟に入っているし、他の閣僚も同様だと思う」と反論した。
飯田)世耕参院幹事長は17日の会見で、「現職閣僚がこういう形で勉強会を立ち上げるのはいかがなものか」と指摘していました。いろいろな動きが政局に結び付けられて報道されますが、実際に雰囲気は変わってきているのですか?
岸田総理が渡米するタイミングでなぜ勉強会を立ち上げるのか ~次期総裁選に出ても党の支持は得られない
クラフト)党内で「ポスト岸田」の動きが加速している象徴的な例ですね。世耕さんの指摘は正しいと思います。いま会社が揺らいでいるなかで、みんなが一丸となって立て直そうとしているときに、社長の足を引っ張ってどうするのか。あるいは転職を1人だけ模索してどうするのか、ということです。
飯田)高市大臣の行動は。
クラフト)総理がアジア太平洋経済協力会議(APEC)のために渡米するタイミングで、わざわざ立ち上げる必要はありません。私から言わせると、彼女が大臣として意図的に求心力を高め、どこかのタイミングで総裁選に出るとしても、これでは党の支持は得られない。結果的に考えると、いい戦略ではないと思います。
飯田)総裁選に出るには少なくとも20人の推薦人が必要ですが、推薦人になるためには、かなりの覚悟が必要だと言われます。
クラフト)覚悟が要りますし、安倍氏亡きいま、安倍派から支持を得られるとは思いません。地道に上手く支持を集める方が得策のような気がします。
閣僚が勉強会を立ち上げることは政権内の乱れた足並みを露呈するだけ
飯田)そもそも、この間の内閣改造で(高市氏が)外れるかどうかも焦点でしたが、閣内で引き続き経済安全保障をやってもらおうと、岸田さんは続投させたわけですか?
クラフト)続投せざるを得なかったという議論もありますが、やはり閣僚を受けた以上は、それなりのルールがあります。閣僚がいまさら勉強会を立ち上げるというのは、政権内の足並みの乱れを露呈させるだけなので、チームプレイヤーとしては評価できないと思います。
2024年3月の本予算を乗り切れば、支持率が回復する可能性も
飯田)ポスト岸田の動きですが、小泉進次郎さんがライドシェアの勉強会を立ち上げたことも話題になっています。
クラフト)閣僚外の人は別に問題ないですから、大いにやればいいわけです。ここに来て、そういう勉強会が立ち上がる状況は、「政権がいよいよ末期に来たな」という感じが強くなるので、巻き返すのは難しいかも知れません。ただ、来年(2024年)3月の本予算を乗り切れば、多少は現状より支持率が回復する可能性もあります。選挙がないのであれば、とりあえず岸田政権は来年3月までは存続できると思います。
飯田)それまでに支持率が上がるきっかけとして、何が考えられますか?
クラフト)予算が通れば、メディアの減税への報道も落ち着きますし、来年3月には春闘でそれなりにまとまった賃上げが期待できます。そして6月には、不人気とは言えある程度の減税で資金が入ってくるので、懐に余裕が出て、それなりに不支持が和らぐのではないかと思います。
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