自由民主党の平井卓也・広報本部長が12月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。国民民主党の前原代表代行の離党・新党結成について解説した。
国民民主党の前原代表代行が離党、新党結成
国民民主党の前原代表代行が離党届を提出し、自身も含め5人の議員で新党「教育無償化を実現する会」を結成することを表明した。前原氏は、「いまの国民民主党はトリガー条項の凍結解除にほとんどの体重を乗せ、支持率が低い岸田政権と協力を模索する路線にある」と批判。なお、新党は教育無償化や奨学金の返済免除などを掲げ、政策が近い日本維新の会などと連携を模索するとみられる。
飯田)この報道について、どう受け止めていらっしゃいますか?
平井)前原さんは「希望の党」のときも同じでしたが、節目節目でこのように動くタイプなのだと思います。
飯田)予算が出てきた直後ですが。
新党をつくるのであれば、政党交付金の分配が決まる前の12月がいちばんいい
平井)1月1日時点で政党交付金の分配が決まるので、新党をつくるのであれば、12月がいちばんいいのです。
飯田)算出の基準日がそこになる。
平井)規模は小さいですが、党に取られないので実入りは多い。我々には政党交付金は一切入りませんが、今回はまるまる(入る)ではないですか。そういう意味で、年明けにつくるのであれば「立派かな」と思いますが、年末につくると、その部分がわかってしまいますよね。
飯田)テクニカルな部分が。
日本維新の会と連携か
平井)それは大きいと思います。政治活動にはお金が掛かりますので。あと、これはワンイシューですよね。完全に日本維新の会の政策そのものなので。
飯田)教育の無償化。
平井)半分足を突っ込んだ感じでしょうね。
飯田)隠しもしないという。
平井)お互いに隠していないのではないですか?
飯田)馬場さんもそれに呼応するような形です。
平井)そうですね。
2024年4月以降、トリガー条項の凍結解除も1つの選択肢に
飯田)会見のなかで前原さんが指摘したのは、トリガー条項に関してでした。岸田総理は今国会の予算委員会において、玉木さんの問いかけに答えるような形で、これから協議を進める方針になっています。
平井)2024年4月まで、特にガソリンに対しては国費が投入されます。これは継続が決まっていますが、4月以降について考えなくてはいけない。価格を下げるために国費を補助金として使い続けることは、政策として前向きではありません。どんどん日本の体力がなくなっていくと思います。そう考えると、4月以降はどうするのか。その時点でのいろいろな原油価格などもあると思いますが、トリガー条項の凍結解除も1つの選択肢になる可能性はあります。
飯田)選挙区を回ると、特に地方では車は生活に欠かせないですよね。ガソリン代というのは。
平井)8月の終わりから9月にかけてヨーロッパに行ってきたのですが、ヨーロッパでもガソリンは高いです。300円近いですから。
飯田)リッター300円。
平井)アルバニアという貧しい国に行っても、リッター300円でした。ほとんどインフラもないので、皆さん車に依存しています。そう考えると、日本は国民の理解を得ながら、グリーントランスフォーメーション(GX)を進める必要があるのだと思います。
パーティー券収入をめぐる問題 ~宏池会では裏金はない
飯田)政治と金の話となると、派閥のパーティー券に関する話が出ています。「安倍派で裏金があったのではないか」という報道もありますが、お金の出入りについては、これから訂正していくのでしょうか?
平井)私は宏池会ですが、宏池会は既に精査されており、報道で言われる前に修正していたのです。
飯田)そうだったのですね。
平井)なぜこのようなことが起きるかと言うと、議員にはノルマがあって、バラバラに売ってしまうと、トータルで20万円を超えるケースが出てくるのです。
飯田)20万円を超えるパーティー券を買うと、個人あるいは法人の名前を出さなくてはならない。例えば平井さんから10万円ぶん買ったけれど、他の議員からも15万円ぐらい買っていると……。
平井)システム的にそれがわかるように、今後は「番号と名前をパーティー券に入れて管理しよう」という方向になっています。宏池会的に言うと、修正したことでトータルの金額は一切変わっていないので、少なくとも宏池会では、裏金はまったくありません。
飯田)特捜も動いているというような報道もあります。
「岸田政権の覚悟」が国民に伝わっていない
平井)いま、政治への期待が格段に落ちていると思うのです。だから支持率が下がっているのですが、政治に大きく動くだけのパワーがないと思います。振り返ると、2008年当時の民主党は、勢いがありました。子ども手当て等々の政策もあって、国民が「1回やらせてみたらいい」と思えたのでしょう。
飯田)当時の民主党に。
平井)しかし、いまは自民党の支持率が下がっているものの、「代わってやらせたい」というエンティティがない状態で、政治全体への期待が下がっている。政治にパッションがないように思います。
飯田)当時は民主党が政策をぶつけ、それに対して与党も政策で返すというような国会での議論があったと思いますが、いまはそういう状況になっていない。
平井)与野党含めて大きなフラグが立っていません。それが社会全体の閉塞感につながっているような気がします。
飯田)「大臣が国会答弁でスマホを使ったが、いけないのではないか」などの政治ニュースになってしまう。
平井)岸田政権は経済対策において、大きなリスクを取っているのです。今回の所得減税を考えると、その前に、何が何でも賃上げをやり切らなくてはいけないわけです。賃上げ税制など、政策パッケージとしてはリスクが高いけれど、「もしかするとデフレ脱却への第一歩を踏み出せるかも知れない」という政策なのに、国民には「選挙目当ての減税」と見られてしまっている。与党にいちばん欠けているのは、「岸田政権の覚悟」が国民に伝わっていないことだと思います。
飯田)岸田政権の覚悟が。
平井)これがうまくいかなかったら、もう退陣するしかないのです。こんなに大きなリスクを取っている政策なのに、結果が出なければ当然そうなるでしょうし、内閣としてはそういう気持ちだと思います。我々もそうです。そのため広報本部長としては、年明けから「攻めの広報」をしたいと思っています。リスクある政策を進めていくためには、国民に我々の覚悟と熱意を伝えるしかないと思います。
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