キャスターの辛坊治郎が1月11日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。13日に投開票される台湾の総統選と立法委員(国会議員に相当)選を巡り、韓国の政権を引き合いに出しながら、「日本の周辺国・地域のトップが誰であるかは極めて重要だ」と解説した。
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台湾総統選と立法委員選を控え、台北市内では多くの場所で候補者をPRする看板が掲げられている=2024年1月10日午前(松本健吾撮影) 写真提供:産経新聞社
13日に投開票が行われる台湾総統選。世論調査によると、与党の民進党を最大野党の国民党が追う展開となっている。約1930万人の台湾の有権者のうち、1割近くが投票先を決めていないとみられ、投票日に向けた激しい選挙戦が続けられている。
辛坊)2023年末までに公表されているデータでは、おそらく現政権である民進党の頼清徳氏が逃げ切りそうです。一方、立法委員選も民進党が現状の第1会派を維持できれば、政権は安定的です。しかし、総統選と立法委員選の結果でねじれが生じると、面倒なことになります。
韓国の政権を見ていると明らかなことがあります。日本には長年、「政治なんて誰がやっても同じだ」という“合言葉”がありました。ところが、ここ10年、20年で「そうでもない」と日本人は思い始めています。近隣国の韓国も政権交代によって劇的に変わりました。
例えば、いわゆる徴用工問題で、韓国の前政権が作った司法の枠組みの中で日本にとってとんでもない訴訟判決が次々と確定していますが、日本では大きなニュースになりません。なぜなら、過去に決着がついているということで、現政権が韓国政府の責任で処理するという姿勢を見せているからです。前政権が続いていたら今頃、蜂の巣をつついた大騒ぎになり、日韓関係に巨大な溝が横たわっていたでしょう。
また、北朝鮮が最近、過激なことを次々始めており、日本と韓国、アメリカのつながりがとても大切な状況になっています。韓国の前政権であれば、「日本と韓国、アメリカと意思疎通しながら北朝鮮対応にあたろう」という雰囲気にはなっていないはずです。ですから、日本の周辺国・地域のトップが誰であるかということは極めて重要です。
話を台湾に戻します。今の読みでいえば、民進党の頼氏が何とか逃げ切り、民進党が立法院(国会に相当)で多数派を抑えられるのであれば、日本と台湾、そして極東の地図はそれほど大きく変わることはないでしょう。