水面下でロシアがアメリカに「ウクライナとの停戦協議」打診

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが1月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ダボス会議でのゼレンスキー大統領の演説について解説した。

16日、ジュネーブで握手するバイデン米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(ロイター=共同)=2021年6月16日 写真提供:共同通信社

16日、ジュネーブで握手するバイデン米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(ロイター=共同)=2021年6月16日 写真提供:共同通信社

ゼレンスキー大統領、ダボス会議で演説 対露制裁・支援継続を訴え

ウクライナのゼレンスキー大統領は1月16日、スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、侵略を続けるロシアとの戦いで国際社会の支援を改めて求めた。これまではオンライン参加にとどめていたが、今回はダボスに自ら乗り込み、西側諸国要人らとの会談も行った。

飯田)西側諸国だけでなく、アフリカのトップなどとも話しており、相当精力的に動いています。逆に言うと、焦っている部分もあるのでしょうか?

バイデン大統領とマイク・ジョンソン下院議長の協議実現でウクライナ支援継続に希望

クラフト)中東情勢によって世界の注目度が薄れてしまったので、焦りはあると思います。ただ昨日(17日)、バイデン大統領とマイク・ジョンソン下院議長が、ようやくウクライナ支援について直接面談で協議しました。本来であれば、バイデン大統領は去年(2023年)の段階で直接、下院と話し合うべきだったのですが、やっとそれが始まりそうです。ウクライナ支援打開への希望が出てきたのではないでしょうか。それに合わせてゼレンスキー大統領もダボスでアピールすることで、欧米でのウクライナ支援継続の機運がまた高まってくれるといいですね。

飯田)防空システムが足りないなど、いろいろなことが言われていますからね。

クラフト)これはウクライナとロシアだけの問題ではありません。西側にとっても、こういった暴挙が許されるか、許されないか、民主主義の根幹にも関わる問題ですので、まずはアメリカが率先してリーダーシップを発揮する必要があるけれど、これまでバイデン政権は消極的だったのではないでしょうか。

裏ではロシア側からアメリカに停戦協議の打診

飯田)ようやく議会で話し合いができそうですが、早くしないと大統領選に入ってしまいます。選挙が始まれば動くに動けなくなりますよね。

クラフト)米国務省の幹部とも話したのですが、彼らの見方では、ロシアも苦しいのですよね。対外的には強気に発言していますが、裏ではロシア側からアメリカに停戦協議の打診もあったそうです。ただ、ロシア側の条件は現在所有している地域をそのまま残すことですので、受け入れられないのですが、ロシア側も苦しいという証拠です。ただプーチン氏からすると、苦しいけれど何とか11月まで頑張り、「トランプ再選」に賭けることが最大の望みなのでしょう。そういった意欲をくじくためにも、中長期的なウクライナ支援をバイデン政権が成立させなければなりませんが、なかなか進まない。

飯田)そうですよね。

クラフト)エネルギーがないのか、プライドが高いのか、これまでは共和党下院と真剣に向き合って話し合う努力がなかったのですが、背に腹はかえられないので、下院議長と大統領の面談がようやく始まるところです。

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