数量政策学者の高橋洋一と外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。豊田自動織機のエンジン認証不正問題について解説した。
豊田自動織機のエンジン認証不正問題で、トヨタが10車種の出荷を停止
トヨタ自動車のグループ企業「豊田自動織機」がディーゼルエンジンの出力試験などで不正を行っていた問題で、トヨタは不正が見つかったエンジンを搭載する10車種の出荷を停止すると明らかにした。
飯田)ランドクルーザーやハイエースなどの車の名前が挙がっています。トヨタ自動車系列のダイハツや日野など、いろいろなところで不正問題が出ていますが。
宮家)なぜ、こんなことが続くのでしょうか? 私はよく「昭和の終わりだ」と言いますが、要するに偉い人がいて下は力がないから、おかしいと思うことがあっても下は言わずに忖度してしまう。これが昭和の文化です。不正があっても内部告発できないのかも知れません。大手アイドル芸能事務所や某大学アメリカンフットボール部、自民党派閥の話もすべて同じです。もっと若い世代が「おかしいものはおかしい」と言うべきではないでしょうか。
「発覚しない」という前提で不正を行うのか
高橋)「我が家の車は大丈夫かな」と、思わず車種が気になってしまいました。しかし、なぜこういうことが起きるのか。どうせいつかは発覚しますよね。「わからないだろう」という前提なのでしょうか?
飯田)内部の論理では……。
宮家)黙っていれば、わからない。
高橋)でも、わかってしまうことの方が多いですよね。私はいつも確率で考えるのですが、発覚する確率の方が高いのではないでしょうか。その場合、発覚したときのコストがとても大きいと思います。
飯田)今回のようにね。
高橋)そう考えると、全然得ではない意思決定ですよね。
数字はつくれるからこそ、正しい数字を出さなければならない
飯田)昨日(1月29日)の会見から、いろいろなことが報じられています。開発の納期が迫るなかでいい数値が出てこなかった。その場合、本来であれば納期を延ばして改善するのですが、「納期が迫っているから何とかしろ」という方向になっていたようです。
高橋)「納期を延ばした方が、品不足感が出て会社としてはプラスだ」と言えばいいのです。それで「いい名目が立つではないか」というように上が言えば、みんな「そうか」と思うのではないでしょうか。
宮家)昔、大学の同期生がメーカーへ行き、その後さまざまな議論をしていたらある時彼は「宮家、数字というものはなぁ、つくるものだよ」と言ったのです。当時は「そうなの?」と驚きましたが、数字はつくれるのですよ。だからこそ、正しい数字を出さなくてはいけません。
今後、どう改善するか
飯田)しかも安全に関わるところです。体質などがさまざま報じられています。「どう改善するか」ですが、改善はトヨタが得意とするところですよね。
高橋)いまなら作業工程を全部チェックすればわかると思います。古いやり方なのではないでしょうか。
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