ダイハツ不正 「車が不可欠」な地方で新車納車されず
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双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦が12月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ダイハツ工業の品質不正問題について解説した。
ダイハツ本社に国土交通省が立ち入り検査
飯田)12月21日、ダイハツ本社に国交省が立ち入り検査を行いました。認証不正の問題が大きくなってきましたね。
吉崎)いまから40年前、私が学生時代に初めて買った車がダイハツのシャレードだったのです。懐かしい1000ccの……。よく走ってくれましたけれども。今回のことは、既に製造が終わっている分まで不正があったという話ですから、私のシャレードはどうだったのだろうと思います。
飯田)第三者委員会の調査では、1989年から不正があったようです。
吉崎)今回も結局、発覚したのは内部通報なのですよね。内部通報という制度を最初に聞いたときは、「そんな制度を入れていいのだろうか?」と感じましたが、やはり必要なのですね。いままでの日本企業は今回のような不正があっても、「前からやっているのだから」と……。
飯田)ことを荒立てないように。
吉崎)そういうところがありました。「こういうことが出てくる世の中になったのだな」という感じです。
車が必要不可欠な地方では新車が納車されず
飯田)長野県の“ハリヤー”さんから、「私の地元・長野県では、軽自動車などがなければ生活が成り立たない地域も多いです。新車を注文しても納車がいつになるかわからないと困ります。知り合いの方にも納車待ちの方がいます。非常に困る話です」とご意見をいただきました。認証取り消しになってしまうと、使っている車の車検が通らない可能性もありますよね。
吉崎)部品会社の問題も出てきているし、ダイハツの中古車を持っている人は値崩れしてしまうので、そちらの方も影響大ですよね。あとはご指摘通り、地方経済にとって軽自動車はとても重要な存在なので、CMが入らなくなるだけで影響は大きいと思います。
飯田)自動車産業は部品でも裾野が広いですし、販社の関係も裾野が広いですからね。
吉崎)しかも、納品もジャストインタイムという精緻なシステムが出来上がっているので、これを根底から覆すようなことが起きてしまうと、本当に麻痺するような感じになるのではないでしょうか。
発覚したのは4月、もう少し早く対処できなかったのか
飯田)国土交通省は12月22日以降も立ち入り検査を行う予定です。まずは詳しい事実関係の確認を行い、その後、処分が検討されます。暮れが押し迫っている時期で、越年しそうな感じでしょうか。
吉崎)そうですね。発覚は4月でしたが、第三者委員会をつくり、時間を掛けてやっと出てきた。どうなるかはわかりませんが、「もう少し早くできなかったのか」という思いはあります。
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