ジャーナリストの須田慎一郎が2月5日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。1月の米雇用統計について解説した。
1月の米雇用統計、就業者数が市場予想を大きく上回る
新行)アメリカの1月の雇用統計が2月2日に発表されましたが、非農業部門の就業者数が前月比で35万3000人増加し、18万人程度の増加を見込んでいた市場予想を大きく上回りました。この状況をどうご覧になりますか?
「よいインフレと悪いインフレの混在型」のアメリカ経済
須田)相変わらず、好景気が続いている感じがしますよね。「利下げがあるのではないか」と言われていましたが、利下げが少し遠のいたためアメリカの株は買われるでしょうし、アメリカに投資資金が集まるでしょうから、「円売り・ドル買い」の動きになる。結果的に円安につながっていくと思います。
新行)円売り・ドル買いに。
須田)物価も上昇してインフレが進んでいくでしょう。ただ、勘違いしてはいけないのは、アメリカで起こっているのが「よいインフレと悪いインフレの混在型」だということです。
新行)混ざっているのですか?
須田)よいインフレだと所得が上がり、需要が増えていくので、「もの不足になって物価が上がる」という状況です。それに加えて一昨年(2022年)のロシアによるウクライナ侵攻を引き金として起こった原材料価格・エネルギー価格の高騰による「悪いインフレ」があり、これらが混在しています。
岸田政権の「裏経済スローガン」である「“安い国日本”からの脱却」
須田)日本の場合は、悪いインフレオンリーなのですよ。よいインフレは起こっていない。そういった意味でも、日本はまだ利上げする環境ではありません。日米金利差の拡大がまだ少し維持されるのではないでしょうか。実は、岸田政権が表に出していない「裏経済スローガン」があります。「安い国日本からの脱却」です。
新行)安い国からの脱却。
須田)これを表に出すのがなぜダメかと言うと、国民生活や市民生活が苦しいのに、物価高騰を容認しようという動きになっているからです。
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