黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月21日放送)に駅弁ライターの望月崇史が出演。駅弁の魅力について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月19日(月)~2月23日(金)のゲストは駅弁ライターの望月崇史。3日目は、「東京弁当」について---
黒木)今回は東京の駅弁ですね。
望月)東京駅限定の幕の内弁当、「東京弁当」をお持ちしました。
黒木)これを選んで下さったのはどうしてですか?
望月)駅弁の基本である幕の内を、改めてご紹介したいと思いまして。
黒木)開けます。綺麗ですね。
望月)都会の洗練された盛り付けになっています。幕の内を象徴するおかずが3つ入っていて、三種の神器と呼ばれています。焼き魚、かまぼこ、卵焼きが幕の内の基本のおかずです。
黒木)彩りが美しくて、何からいただけばいいのかわかりませんね。
望月)幕の内は心の赴くままにどうぞ。ちなみに私はご飯からいきます。
黒木)ご飯の上にも何か乗っていますね。
望月)刻み梅です。私がご飯からいただくのは、駅弁屋さんがいちばんこだわっているところだからです。
黒木)ご飯を食べれば大体わかるのですか?
望月)そうです。特に幕の内の場合、白いご飯が入ることが多いので、お店ごとにこだわりがあり、各社お米が違います。種類や銘柄、炊き方、盛りつけの仕方にそれぞれのこだわりが出ています。
黒木)東京弁当には、どんなこだわりがありますか?
望月)東京は全国から最もいいものが集まってくる場所です。東京弁当の場合は、秋田県産の厳選したあきたこまちを使っています。他の会社ですと、幕の内でもその土地のものを使います。新潟だと絶対コシヒカリを使っていますし、秋田だと、サキホコレというお米の粒が大きい新たな銘柄ができたので、それを使ったお弁当も人気です。
黒木)魚が美味しい。
望月)東京弁当には、老舗に開発してもらったオリジナルの焼き魚が載っています。
黒木)高級感が漂っています。
望月)東京の老舗のお店が少しずつ協力し、その味を集めて、1つにギュッと詰め込んだ東京を象徴するお弁当なのです。本来、1つずつ食材を買っていったら「5000円する」という世界ですが、駅弁なので1850円にまで抑え込んでいます。
黒木)贅沢ですね。ゆっくり食べたいです。
望月)北へ行くのであれば仙台ぐらいまで。ゆっくり駅弁をいただいて、「気付いたら周りが雪景色になっていた」という楽しみ方もできます。
黒木)そもそも望月さんは、なぜ駅弁を好きになったのですか?
望月)実家が静岡で、家の隣に静岡と山梨を結ぶ身延線という鉄道が通っていました。そういう意味では身近に鉄道があったのです。ときどき、その電車に乗っていとこの家に行っていたのですが、ある日、幕の内の折を持って食べている人を見たのです。小さいときに「あれは何?」と親に聞いたら、「駅弁だよ」と教えてもらいました。
黒木)美味しそうだなと思ったのですね。
望月)中学生のとき、東京に行く急行電車で初めてアルミホイルの容器だった牛弁当を食べたことが、最初の駅弁の思い出として残っています。
黒木)そして大人になり、なるべくして駅弁ライターになられたのですね。
望月)そうかも知れません。
望月崇史(もちづき・たかふみ)/駅弁ライター
■1975年・静岡県生まれ。
■早稲田大学在学中から、放送作家として活動。
■ラジオ番組をきっかけに全国の駅弁食べ歩きをはじめ、食べ歩き歴はおよそ20年。これまでに5000個以上の駅弁を実食。
■単なる駅弁の感想に留まらず、駅弁をつくる企業や人々を丹念に取材している。
■ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマに記事を執筆。日本旅のペンクラブ所属。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳