【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1165回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、3月8日公開の『映画 マイホームヒーロー』に加えて、東日本大震災を振り返る特集をお届けします。
映画館で観たい!『映画 マイホームヒーロー』 ~衝撃のノンストップ・ファミリー・サスペンスがスクリーンに
平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄が、娘の彼氏を殺害してしまう。そんな衝撃的なエピソードからスタートする人気漫画を実写化した『マイホームヒーロー』。
2023年に放送されたテレビドラマの完結編となる劇場版が、ついにスクリーンにお目見えしました。
『映画 マイホームヒーロー』のあらすじ
愛する家族との生活を守ろうと娘の彼氏を殺してしまった鳥栖哲雄は、命がけで罪を隠蔽。半グレ犯罪組織との熾烈な攻防を生き抜いた。
それから7年後。あるニュースがきっかけで、幸せに暮らす鳥栖家に衝撃が走る。山中に隠したはずの死体が、土砂崩れによって発見されてしまったのだ。
警察官となった娘・零花は、父である哲雄に疑いの目を向け始める。同じころ、死体とともに消えた10億円の行方を追う犯罪組織のボス・志野寛治が哲雄に近づいてきて……。
『映画 マイホームヒーロー』のみどころ
キャストには主演の佐々木蔵之介をはじめ、齋藤飛鳥、高橋恭平(なにわ男子)、木村多江、音尾琢真、淵上泰史、神野三鈴など、“原作再現率100%”と話題になったドラマ版キャストが集結。
さらに津田健次郎、宮世琉弥、板倉俊之(インパルス)、立川談春といった個性的なメンバーが加わってパワーアップ。平穏な家庭を守るための“命がけの騙し合い”が繰り広げられます。
究極のホームドラマでありながら、サスペンスやアクションなど、あらゆる要素が盛り込まれているのが魅力となっている本作。ますます苛烈になる半グレ犯罪組織との対決も大きな見どころとなっていますが、今作でもうひとつの軸となっているのが、哲雄と零花の関係性です。
ドラマ版では両親から守られている存在であった零花が、劇場版では刑事として自立。“殺人犯である父親と刑事になった娘”との対峙がどのような結末を迎えるか、これは是非、注目して欲しいところです。
映画版ならではのドラマチックなクライマックスをじっくりと堪能して。
お家で観たい! 映画・ドラマを通じて東日本大震災を振り返る
東日本大震災から、まもなく13年を迎えます。
3.11を風化させない。伝え続ける。そこで今回は、2024年3月11日に先駆けて、東日本大震災を題材にした映画・ドラマをご紹介。作品を通じて“あのとき”を振り返ります。
Netflixシリーズ『THE DAYS』 ~あの日、何が起こったか。未曾有の事故の真実を世界に向けて発信する
2011年3月11日に発生した三陸沖を震源とする巨大地震と、それに伴う大津波は、東日本一帯に甚大な被害をもたらしました。津波の直撃を受けた福島第一原子力発電所は全電源喪失という前例のない事態となり、全6基のうち4基の原子炉が次々と制御不能に。史上最悪の原発事故となりました。
本作は、3月11日の事故発生から、あの日、あの場所で、何が起こっていたかが克明に描かれたドラマシリーズ。日本政府、電力会社、そして現場で事故に対峙した人々。3つの視点から事故に触れることで徹底的なリアリティを追求し、重層的な作りとなっています。
この事故は天災か、人災か。絶対に風化させてはいけない“事実”を描いた人間ドラマです。
(本作には地震や津波を想起させるシーンがあります。鑑賞の際は予めご了承下さい)
『とんがり頭のごん太 —2つの名前を生きた福島被災犬の物語—』 ~家族と離れ離れになった被災犬の物語
東日本大震災直後に起こった原発事故。緊迫した状況のなかで避難指示が出され、人間がいなくなった街では、多くの動物たちが取り残されました。福島県浪江町で生まれ育った本作の主人公、犬のごん太もそのなかの1匹で、飼い主家族と離れ離れに。
大切なごん太を置いていかざるを得なかった、飼い主家族の思い。被災したペットを救済するために奔走する、ボランティアスタッフ。そして、どんな局面にも屈することなく逞しく生き抜く、ごん太。
ペット救援をテーマに、3.11以降を生きる人々の想いを丁寧に紡いだ感動作です。
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『映画 マイホームヒーロー』
2024年3月8日(金)から全国ロードショー
出演:佐々木蔵之介、齋藤飛鳥、高橋恭平(なにわ男子)、宮世琉弥、板倉俊之(インパルス)、大東駿介、淵上泰史、西垣匠、金子隼也、立川談春、神野三鈴、音尾琢真、津田健次郎、木村多江
主題歌:「インソムニア」Eve(TOY’S FACTORY)
原作・漫画:山川直輝・朝基まさし『マイホームヒーロー』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:青山貴洋
脚本:船橋勧
音楽:堤博明
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2024 映画「マイホームヒーロー」製作委員会
公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/mhh-moviejp/
Netflixシリーズ『THE DAYS』(全8話)
2023年6月1日(木)よりNetflixにて世界独占配信中
出演:役所広司、竹野内豊、小日向文世、小林薫、音尾琢真、光石研、遠藤憲一、石田ゆり子
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:西浦正記、中田秀夫
原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:高橋雅美、高橋信一
プロデューサー:関口大輔、増子知希、髙田良平
製作:ワーナー・ブラザース映画
制作:リオネス
配信:Netflix
Netflix作品ページ https://www.netflix.com/title/81233755
『とんがり頭のごん太 —2つの名前を生きた福島被災犬の物語—』
デジタル配信中
声の出演:石川由依、斉藤暁、神尾佑、置鮎龍太郎 ほか
監督・脚本:西澤昭男
音楽監督:クリヤ・マコト
原案:仲本剛『福島 余命1カ月の被災犬 とんがりあたまのごん太』(光文社)
後援:福島県、浪江町、双葉町、葛尾村、神戸市、福島県教育委員会、浪江町教育委員会、神戸市教育委員会
協力:福島民報社、光文社
製作・配給:株式会社ワオ・コーポレーション
(C)ワオ・コーポレーション/光文社
公式サイト https://www.gonta-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/