ジャーナリストの佐々木俊尚が3月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。金沢~敦賀間が延伸開業した北陸新幹線について解説した。
北陸新幹線、金沢~敦賀間が延伸開業
飯田)3月16日に北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業しました。佐々木さんは3拠点生活をされていて、その1つが福井ですよね?
東京~敦賀間直通は従来の行き方より遠く、高いので「微妙」
佐々木)私の家は終点の敦賀です。敦賀はいちばん端の京都に近い方なので、地元だと「北陸新幹線は値段が高いし、遠い」と言う人が多いですね。いままでは東京から東海道新幹線・ひかり号に乗り、滋賀県の米原で北陸本線の特急に乗り換えるという行き方でした。2時間50分ぐらいで着くのですが、北陸新幹線では直通で3時間8分くらい掛かるので、少し遠いし、値段も高くなるのです。
福井駅までは北陸新幹線の方が値段も安く早い
佐々木)ただ福井市や福井駅までであれば、北陸新幹線の方が値段も安いし、時間も早い。微妙なところではあるのですが、個人的に言うと、北陸本線は琵琶湖の横を走るので、冬になると風が強く、度々止まるのですよ。自動販売機が1つしかないような駅で降ろされてしまうのです。
飯田)ここで降ろされても、と。
佐々木)また東海道新幹線も大動脈ではあるのですが、60年代にできた古い路線なので、盛り土が意外と脆弱なのです。雨が降ると崩れる恐れがあるので点検しなければならない。
飯田)雨量を気にしますよね。
東海道・山陽新幹線とは違い、高架を走る北陸新幹線は自然災害に強い
佐々木)あるいは関ヶ原で雪が積もってストップするケースも多いです。それに比べて北陸新幹線は基本、盛り土ではなく高架なので、雨にはとても強い。またトンネルが多いので雪にも強く、滅多に止まることはありません。
飯田)確かに、能登半島地震の際も、翌日には北陸新幹線は動いていました。
佐々木)中越地震のときも、上越新幹線は脱線したけれど誰も怪我しませんでした。東海道新幹線や山陽新幹線は60~70年代に一生懸命つくったものなので、仕方ない部分はありますが、近年の新幹線は技術が進んでいますね。
飯田)雪でいろいろなところが立往生しても、北陸新幹線は普通に動いていますからね。
佐々木)あと、行くルートが二重になるのも大きいです。
飯田)JR東海の方に話を聞くと、「それもあるのでリニア中央新幹線を早く通したいのですよ」と言いますね。
新幹線、定期便の空港がない県は、三重と奈良のみ
佐々木)東海道新幹線が止まってもリニアは動かせる。あれもトンネルだらけですからね。ちなみに、いままで福井県は新幹線の駅もなければ、定期便の空港もなかったのです。両方ないのは全国に3つしかなく、福井県・三重県・奈良県でした。これで三重と奈良だけが残った。
飯田)なるほど。おめでとうございます。
佐々木)ありがとうございます。
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