元日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が3月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。下関沖の韓国船籍のタンカー転覆事故について解説した。
下関沖で韓国船籍のタンカー転覆、8人死亡
3月20日午前7時5分頃、山口県下関市の六連島沖の響灘で韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN(キョヨン・サン)」から「船が傾いている」との118番に救助を要請する通報があり、その後船は転覆した。門司海上保安部は乗組員11人のうち9人を救助したが、うち8人の死亡が確認された。1人は命に別状はなく、残る2人の行方を捜索している。
飯田)現場の海域は風速10~15m、波の高さは3.5m。下関市では午前5時10分ごろ、22.7mの最大瞬間風速を観測していました。
片岡)報道を見ると、完全に船がひっくり返っているので、余程の衝撃が生じたのでしょうね。
飯田)門司海保には天候回復まで待機する「緊急入域」を申請し、六連島沖にいかりを下ろして停泊していたようですが、「アンカーが上手くかからなかったのではないか」とも言われています。
「海の難所」と呼ばれる海域
飯田)海保の関係者などに取材したところ、要因として「操船技術の問題等々があったのではないか」と考えたけれど、乗組員の方々の操船技術に問題はなかった。そもそもこの海域は「海の難所」と呼ばれており、風が強いといかりが上手くかからない状況も有り得るそうです。また、タンカーと言っても積み荷によって比重が変わるので、一様に重心が高く不安定になるわけではなく、ケースバイケースのようです。現場周辺では暴風警報が出ていたことを考えると……。
片岡)気象変動のなかで、この海域に入る必要がどこまであったのか。そういう部分はありますかね。
飯田)当然ながら、海上保安庁は海難事故として原因等々の究明を行うということです。
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