ピーマン生産量日本一の神栖 秋ピーマンの出荷進む
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ピーマン生産量日本一の茨城県神栖市。神栖市太田にあるJAなめがたしおさい波崎営農経済センター・波崎選果場では、秋物と温室ピーマンの出荷が進んでいる。
神栖市は、温暖な気候と水はけの良い土壌に恵まれ、ピーマンの一大産地として名高い。2018年8月に完成したこの選果場は、ピーマン専用では日本一の規模を誇る。農家はピーマン出荷専用の黄色いコンテナに積んでトラックで運び込むが、この黄色いコンテナは毎回殺菌処理をして持って帰り、あくまでも出荷用として使用し、ハウス内には入れてはいけないことになっている。出荷専用のコンテナ受付には重量計が設置されており、農家がトラックに乗ったまま受付を済ませることができ、受付を済ませている間にトラックごとピーマンを計測する。
ベルトコンベヤーに載せられたピーマンは、従業員が目で見て形の悪いものや傷が付いているものを取り除き、その後ライン上の機械でピーマンをひとつずつ重さごとに自動で振り分けられ箱詰めをしていく。4キロの箱詰めのものと5個で150グラムになるように自動で袋詰めができるようになっている。その後、従業員が手作業で50袋、7.5キロに収まるようにして箱詰めをする。2023年にはロボットアームを導入し、これで4キロ箱の積荷の作業の負担がかなり楽になったという。
また、出荷場はラップを巻いてすぐにパレットに積んで効率よく出荷できるようになっており、午前中は名古屋など遠い地域に、午後は京浜地区を中心に出荷していく。金属検知器を使用した異物混入防止対策、トレーサビリティ制度に伴う生産履歴の記帳を行っており、安全で安心なピーマンを届けるための努力も怠らない。
JAなめがたしおさい 波崎営農経済センターの所 和希さんは、「生産者の息子さんなどが、家に戻ってきてピーマンの作り方を親から作り方を引き継いで世代交代をしている所もある。年々生産者の数は減ってきているが、新しく生産者部会に入る方もいる」と述べ、「夏場の高温で出荷量が伸び悩んでいる。あれだけ暑い気温は想定していなかったので、ハウス内での工夫はしているが今後出荷量をどのように回復させていくかが課題」としている。