まるで人間!?人工知能「AI」はどこまで進化する? 【ひでたけのやじうま好奇心】

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画像や映像、言葉に、音声など、大量のデータを学ぶ事によって、まるで人間の脳のような判断、認識が出来る人工知能「AI」の進化が話題になっています。

今年の3月には、グーグルが開発した囲碁のAI「アルファ碁」が世界のトップ棋士を4勝1敗で下しました。
つまり、プロでも1回勝つのがやっと。

また、人工知能「AI」と研究者が共同で書いた小説が「星新一賞」の一次審査を通過した事もニュースになりました。

果たして、どこまで人工知能「AI」は進化するのか?
きょうは専門家の意見を交えて、ご紹介したいと思います。

まずは、コンピュータ囲碁のお話から。
どういう歩みを経て、強くなったのか?
人工知能の研究の第一人者、AIと小説を作った事でも知られる函館市にあります「公立はこだて未来大学」の松原仁教授にご回答いただきました。

コンピュータ囲碁の研究はドイツで50年ほど前に始まった。
しかし、組み合わせがチェスや将棋よりもはるかに多く、強くするのが難しく、ずっと弱いまま。
特に、ある局面での形勢判断を行なう『評価関数』(ゲームの状況を数値化する事)を作る事が出来なかった。
では、なぜ強くなったのか?
最近ブームになっている深層学習『ディープ・ラーニング』という手法を使って、優れた評価関数を作る事に初めて成功。
過去のプロ棋士の数千万局面のデータを使って、コンピュータが勝利の方程式のようなものを自動的に作ったわけです。
具体的に言いますと、ある局面でプロ棋士が打った手を正解として教えた結果、アルファ碁は未知の局面でもプロ棋士よりいい手を思いつくことができるようになったという事です。

聞き慣れない言葉が多かったので、分かりづらかったかもしれませんが、要するに、人工知能が過去の囲碁のデータを学習した事によって、“ここが危なそうだ”とか“ここがよさそうだ”という感覚を持つ事が出来るようになった訳なんです。

では、現状AIが出来る事、やっている事にはどんなものがあるのか?

まず、アルファ碁を開発したグーグル。
最近発表した人工知能を活用したサービスは、グーグル カレンダーが目標達成のサポートをするというサービス。
グーグルカレンダーというのは、Web上でスケジュールの管理や共有ができるサービス。スマートフォンのアプリでも使う事が出来ます。
スケジュール帳として使っている人が多いサービスですが、何と人工知能があなたの忙しいスケジュールを分析して、あなたが普段出来ない「運動やスキルアップ、家族との食事の時間」を設定・提案してくれるんです。

(例)滅多に自宅に帰らないスタッフがこの機能を使ったところ、「家族との食事の時間を日曜日の午後6時にいかが?」と提案された。

もう1つ、グーグルが開発したのが、あなたのかわりにメールの返事を書いてくれる「インボックス」という次世代メールサービス。
このメールサービスには自動返信機能がついていて、メールが届くと、人工知能が3種類の返事を提案してくれるそうです。
まだ対応しているのは英語のみで、日本語でのサービスは始まっていないそうですが、メールの返信が面倒な人にはぴったりのサービスかもしれません。

日本の電機メーカーも人工知能に力を入れています。
三菱電機は、人工知能をクルマの「車載機器」や、産業用ロボットや工作機械などへの「組み込み機器」に搭載できる「コンパクトな人工知能」を開発しました。
2017年度以降に、車載機器、産業用ロボットや工作機械などで順次製品化していく予定だという事です。
これによって、これまで大規模なサーバーが必要であった高度な推論、要するに「情報を分析して判断する事」が、高速処理を行う人工知能システムで、低価格に実現できるという事です。

(例)監視カメラで撮影したデータをこれまでなら、サーバーにアップロードする必要があったが、カメラに搭載されたAIが瞬時に判断する。0217-b

では、今後、AIはどのような分野の仕事を担う可能性があるのか?
人工知能に詳しい松原仁教授によりますと、

近い将来でいえば、定型的な事務作業の仕事の多くはAIが担う。
たとえば、会計業務、駅員さん、銀行窓口係、給食調理人、タクシードライバー、さらには大学の教員なども将来はAIが担っていく。

と予測している。

もちろん、AIに出来ない事もまだまだありますが、賢くなりすぎちゃうと、我々の仕事がなくなってしまいますね・・。

5月13日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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