さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
明日は、6月1日水曜日。
全国の映画館で「ファースト・デイ」と「レディース・デイ」が重なる、映画ファンにとってはダブルで嬉しい日。
そこで今回の「しゃベルシネマ」では、パーティームービーとしてもデートムービーとしてもオススメの映画をご紹介。
異色のアメコミヒーロー『デッドプール』の実態を掘り起こします。
マーベル史上、<規格外>のアンチヒーローが誕生!
かつては特殊部隊の有能な傭兵だったが、好き勝手に悪い奴らをこらしめ金を稼ぐヒーロー気取りな生活を送っているウェイド・ウイルソン。
恋人ヴァネッサとの結婚も決意し、幸せな日々を送っていたが、突然末期ガンを宣告される。
しかし、ある謎の組織からガンを治せると誘われたウェイドは、壮絶な人体実験を受けることに。
そして驚異的な治癒能力と不死の肉体を手に入れる代償に、醜い身体に変えられてしまう。
ウェイドは赤いコスチュームを身にまとった「デッドプール」となり、人体実験を施した男に復讐を果たすことを決意する…。
『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品にあたる『デッドプール』は、『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』などのマーベル・コミックが生み出した「無駄口の多い傭兵」という異色のキャラクター。
元特殊部隊員が如何にして不死身となり、超絶な戦闘能力を持つに至ったかを描いた「デッドプール」誕生のストーリーです。
タイトルロールを演じるのは、ライアン・レイノルズ。
ドラマシリーズ「ゴシップガール」のブレイク・ライブリーと結婚後、2016年には「最もセクシーなパパ」に選出されるなど、その魅力は衰え知らずの肉体派俳優。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でもデッドプールを演じた彼は、長年本作の映画化を切望。
自らプロデューサーも兼任し、満を持してこの『デッドプール』を完成させました。
恋人ヴァネッサ役には、ドラマシリーズ「HOMELAND」でエミー賞にノミネートされた、モリーナ・バッカリン。
宿敵エイジャックス役には、『トランスポーター イグニション』でジェイソン・ステイサムから主役を受け継いだ、エド・スクライン。
これが長編監督デビュー作となるティム・ミラー監督は、CGやVFXの分野においては知らない人はいない実力者。
そんな本作、アメリカでは『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』や『アバター』を超える20世紀FOX映画史上、最高のオープニング成績を記録。
世界120カ国での大ヒットを受けて、早くも続編の製作も決定しています。
こんなヒーロー、アリなんですか?
そもそもアメコミヒーローと言えば、世のため人のために闘う正義の存在。
しかしこのデッドプールときたら、能天気で無責任。
口から飛び出すのは毒舌と下ネタばかりで、都合が悪くなるとすぐにブチキレる。
そのくせ美女には弱くて、好きなグッズはハローキティ。
挙げ句の果てに、スクリーン越しに観客に話しかけてくる図々しい一面も。
見た目は草食系、しぐさはオネエ系?!
なんともつかみどころがないニュータイプのヒーローですが、キメるときはキメるんです。
日本刀と二丁拳銃を華麗に操り、強烈かつアクロバティックに展開するアクションシーンは超絶迫力。
さらにヴァネッサへのまっすぐな愛情や、デッドプールとして生きるしかなくなってしまった切実な胸の内を描いたエピソードは、とてもドラマチック。
単なるおふざけだけではない緩急自在なテイストこそ、この作品から、そしてデッドプールというトンデモヒーローから目が離せなくなってしまう理由でしょう。
さらに、楽しめるのはストーリーだけではありません。
全編にわたって、『X-MEN』シリーズをはじめとする、様々な映画のパロディーが盛り込まれた本作。
ライアン・レイノルズの個人的恨み(?)と驚愕の発言から「ヒーローあるある」なエピソードまで、映画好きな人ほど抱腹絶倒、悶絶すること間違いなし。
しかもかなり度を越したパロディーですが、それが許されるのも異端のヒーロー・デッドプールのなせるワザ⁈といったところでしょうか。
友達同士で賑やかに観るも良し。
恋人同士で楽しく観るも良し。
『デッドプール』は2016年6月1日からTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショーです。
2016年6月1日からTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T.J.ミラー、ジーナ・カラーノ ほか
©2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/