■東日本大震災直前、愛犬プリンに変化が…!
カフェで寛ぐ高田さんとプリン!
2011年3月初旬。千葉県に住む鍼灸師・高田裕子さんは愛犬・プリンの突然の変化に困惑していました。
というのも、それまで元気そのものだったプリンが、突然、腰を抜かしたような状態になり、歩くことはおろか立ち上がれることもなくなってしまったのです!
病院で診察を受けても原因はわからずじまい。不安な気持ちをかかえつつも、ともかく自宅でケアを続けていた高田さん。
すると数日経った3月11日の朝、プリンは何事もなかったかのように再び立ち上がることができるようになりました。
そして、その数時間後…、あの東日本大震災が起こったのです。
「後になって聞いたところによると、大地震の起こる前に電磁波の変化を敏感に感じ取って、プリンのように立てなくなってしまう犬が希にいるそうです。もしかしたら、プリンには地震予知能力があるのかも??友人からは『次にプリンが立てなくなったら、すぐに教えて!』って言われているんですよ(笑)」と高田さん。
プリンに本当に地震予知能力があるかどうかはわからないと言いながらも、「プリンには特別な力がある」と常々感じているそうです。
「プリンは私を魔法にかけ、以前よりも優しくて穏やかな人間に変えてくれました。以前の私は、何か気に入らないことがある度に悩んだり腹を立てたりしていましたが、プリンと出会ってから『ああ、この人はこういう人なんだ』とか『ああ、今はそういうときなんだ』と、ありのままを受け止められる、そんな心の豊かさを手に入れられたような気がしています」。
■「クタ~っとした天使」に癒される日々
プリンと高田さんの出会いは、13年前のこと。
高田さんが偶然立ち寄ったペットショップで「ものすごい視線」を感じて振り向くと…、そこにいたのが、当時生後3~4ヵ月のプリンでした。
「目と目が合った瞬間に、自分がこの子と一緒に暮らすようになることがわかりました。プリンにもきっとそれがわかっていて、あのものすごい目ヂカラで(笑)、私を振り向かせようとしたんだと思います」と高田さんは振り返ります。
こうしてプリンを家族の一員に迎えた高田さん一家。あっという間にプリンの愛らしさに魅了されていきました。
子犬のころは、ちょっとしたいたずらをしたり、庭に人が入るほどの大きな穴を掘ったりして家族を驚かせたこともありましたが、成犬になってからはまったく手がかからず、人を困らせたことは一度もないといいます。
アラブ人のコスプレ♪
ベトナム土産の帽子がお似合い♪
「私は子どものころから犬が大好きでいろいろな犬を飼ってきましたが、プリンは今まで飼ったどんな犬よりクタ~っとしているんです(笑)。どんなときものんびりマイペース。何かで腹を立てて帰宅した日も、クタ~っとしているプリンを見ると、こちらまで力が抜けて、怒っていたことがバカバカしくなっちゃいますね」。
高田さんが「クタ~っとした天使」・プリンに癒され続けて、今年でもう13年目。
プリンも13歳になって、年齢的には立派な「おばあちゃん犬」のはずですが、その天使っぷりは相変わらず!
「大切に育て過ぎたためか、いつまでも子どもっぽさの残るプリン。13歳のおばあちゃんなのに、中身は良家のお嬢様のように天真爛漫!人間でいうと朝丘雪路さんのようなキャラですね(笑)」とのこと。
「もちろん身体的には年齢相応の衰えが出てきています。前より寝ている時間が増えましたし、体の動きも鈍くなりました。年寄りらしくちょっぴり頑固な一面も出てきました。でもね、そこがまた可愛いんですよ。私を早く起こしたくて枕もとでフガフガいう声、願いが叶わないときの不満そうな表情…。長年一緒に暮らしてきた家族だからこそ、わかりあえる声や表情です。老犬には老犬の魅力が、たくさんあるんですよね」。
■目指せ、ギネスブック登録!
夜食には小さなおにぎりを。よだれにご注目!!
これまで病気らしい病気はしたことがないというプリンですが、その陰には高田さんの長年の配慮がありました。
それは、プリンを迎えてから毎日続けているという「手作りごはん」の習慣です。
「市販のドッグフードには、なにが入っているのかすべてを知ることはできませんよね。
そんな不安から手作りフードを始めました。ただし、手作り…といっても、ごく簡単なもの。旬の野菜と一緒に肉を茹でてあげることが多いですね。
あとはお夜食に小さなおにぎりをあげることも。いずれも2~3日分をまとめて作って冷蔵しておけば、そんなに手間はかかりません。
何より自分の目で選んだ新鮮な食材を使っているので、安心して与えられるのがいいところ。プリンも喜んで食べてくれます」。
実は今、高田さんとプリンにはある目標があります。
それは「世界一長生きのゴールデンレトリーバー」になること!
「聞くところによると、日本で一番長生きしたゴールデンレトリーバーは19歳だったそうですから、まずはその記録を破りたいですね(笑)。…といっても、特別なことをするわけではありません。これまで通り、おいしい食事と適度なお散歩。あとは、一緒にクターっとしたり笑ったりして、毎日を楽しく暮らしていけたら満足です」と高田さん。
「日本人は年を重ねることをどうしてもマイナスに考えがち。残念なことに年をとった飼い犬を保健所に持ち込む方もいるそうです。でも、それは本当に愚かなこと。一緒に年を重ねた犬と過ごす醍醐味は、シニア期にしか味わえないものなのです。プリンと一緒に毎日を楽しむ様子を多くの人に知ってもらい、『老犬もいいものだな』と思ってもらえたら嬉しいですね。老犬と最後まで一緒に暮らすことが1つのステイタスのようになれば、犬の殺処分数を減らすための一助にもなるかもしれません。そのためにも、プリンも私も健康第一で、これからも楽しく生きていきたいと思います!」