松本駅「月見五味めし」(870円)~姨捨の月を眺めながら駅弁! 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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リゾートビューふるさと

夜のJR篠ノ井線・姨捨駅(しののいせん・おばすてえき)に停車中の「リゾートビューふるさと」。
「リゾートビューふるさと」は平成22(2010)年から長野県内を中心に活躍している観光列車です。
HB-E300系と呼ばれるハイブリッド式の車両が投入され、主に全席指定の快速列車として運行されます。

姨捨駅は、今では珍しくなった「スイッチバック」式の駅。
昔は急坂で列車が停まることが出来なかったので、平らな引き込み線に駅を作っていました。
スイッチバックについては「駅弁膝栗毛」でも、以前に紹介していますね。

*以前の記事にてご紹介しております。↓↓
「絶景!土讃線秘境トロッコ」の旅(その1・秘境編)~高松駅「あなご飯」(1,000円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

ナイトビュー姨捨

私が乗車したのは、長野~姨捨間で運行されている臨時快速列車の「ナイトビュー姨捨」。
今季も週末を中心に、長野18:48発~姨捨19:22着/姨捨20:24発~長野20:58のダイヤで運行されています。
長野に21時前に戻ってきますので、上り最終の北陸新幹線・22:08発「かがやき518号」には余裕で間に合います。

始発の長野駅ではお得な「ナイトビュー姨捨」向けの往復きっぷも発売されています。
今年で運行開始から5年、去年には列車自体が「夜景遺産」にも登録されました。

棚田と名月の里

「姨捨」は、国の名勝「田毎の月(たごとのつき)」で知られる棚田と名月の里。
加えて、善光寺平と千曲川を一望できる絶景の地としても知られています。
鉄道でも「姨捨」は根室線・狩勝峠、肥薩線・矢岳越えと並ぶ「日本三大車窓」の1つに数えられます。
3年前、平成25(2013)年に乗車した際のこの画像は「中秋の名月と満月」が重なった、貴重な姨捨の「十五夜」です。
ちなみに今年(2016年)の「十五夜」は、9月15日(木曜日)・・・果たして姨捨には、どんな名月がかかるでしょうか。

月見五味めし

そんな信州の「月」ゆかりの駅弁といえば、松本駅弁・イイダヤ軒の「月見五味(ごもく)めし」(870円)。
松本駅を代表するロングセラー駅弁の1つです。
この「月」は、国宝・松本城に由来するもの。
松本城には、月を眺めるための櫓「月見櫓」があります。
初代松本城主とされる石川数正が狩猟の獲物を武者料理し、この月見櫓で宴を催したという言い伝えに基づくものだそうです。

月見五味めし

ふたを開けると「月」をイメージしたゆで卵が目立ちます。
竹の子・ゼンマイなどの信州らしい山の幸が載った五目ご飯。
松本から長野に抜ける特急「(ワイドビュー)しなの」で善光寺平を望みながらいただいてもよし。
松本20:00発の上り最終特急「スーパーあずさ36号」に積み込まれたものをいただいたこともあるので、窓から夜空を見上げながらいただいて良さそう。

信州の夜空に浮かぶ、まんまるお月さまを思い浮かべていただきたい素朴な駅弁です。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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