八戸駅「こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当」(1,100円)~海が恋しくなったら八戸線! 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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八戸線のキハ40

八戸線のキハ40

東京から東北新幹線「はやぶさ」でおよそ2時間45分、東北を代表する港町の1つ、青森県の八戸に到着します。
新幹線が停まる今の八戸駅は、元々「尻内駅」と呼ばれた郊外にある駅。
街の中心部は、JR八戸線に乗り換えて2駅の「本八戸駅」周辺です。
八戸線の八戸~本八戸~鮫(さめ)間は「うみねこレール八戸市内線」という愛称もあり、概ね毎時1本程度の列車が運行されています。
主役のキハ40形気動車は非冷房ながら今も健在、朝夕は増結されて通勤・通学輸送を担います。

蕪島

蕪島

ただ、八戸線の魅力は「鮫駅」の先から始まりますので、出来れば久慈行に乗りたいもの。
その始まりを告げるのが、八戸を代表する観光スポット「蕪島」です。
ウミネコの繁殖地として、国の天然記念物に指定されています。
繁殖期間は、概ね3月~8月の間。
なお、八戸線の旅は「海側」になる進行左側の席を押さえるのが基本です。

三陸の海

三陸の海

鮫の先、陸奥白浜~種差海岸にかけては、八戸線でも特に車窓が美しい区間。
天気がいい日には、車窓に目いっぱい三陸の海が広がります。
この海がアメリカまで続いているのかと思うと、とても雄大な気分になれそう。
ただ、やませが吹く時期は、海霧(じり)が立ち込め、一面真っ白なことも・・・。
それもまた、寒流の親潮と暖流の黒潮が混じる地域だからこその風景なのです。

こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当

こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当

そして、親潮と黒潮がぶつかる土地だからこそ美味しいのが魚!
出来れば、八戸名物の「朝市」で存分に魚をいただきたいものです。
でも、東京から朝イチの新幹線で乗り込んでようやく間に合うかどうか。
朝市は行けないけど、八戸で海鮮気分を存分に味わいたい・・・そんな気持ちに応えてくれる駅弁があります。
八戸駅弁・吉田屋が手がける、その名も「こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当」(1,100円)です。

こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当

こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当

ふたを開けた瞬間から、パァッと広がる「紅」の世界!
国産サーモンのハラス焼きにこぼれんばかりに盛られたイクラの醤油漬け。
付け合わせは、小松菜和えと厚焼き玉子。
香の物は、しば漬けが添えられています。
食材の相性の良さは勿論、海の恵みを感じられる八戸線の車窓、キハ40のボックスシートとの相性もよさそう。

こぼれイクラ

こぼれイクラ

それにしても、とにかくネーミングが秀逸!
「こぼれイクラ」という表現で、食欲が2倍になります。
実際、白いご飯と一緒に箸で持ち上げた瞬間から、どんどんイクラがこぼれます。
もう、ご飯をおかわりしたくなっちゃうくらいイクラがたっぷり!
ただでさえ国産サーモンのハラス+鮭フレークでご飯が進んでしょうがないところへ「こぼれイクラ」ですから・・・。

海が恋しくなったら、八戸で買った駅弁片手に、潮目の海を眺めながら、八戸線のキハ40にどっかり腰を下ろしてみては。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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