東北新幹線の開業に伴って青森県内の在来線(東北本線)を担っている「青い森鉄道」。
これまで車両の主役は、JRから譲渡された701系電車(青い森701系)でした。
その中で一昨年(2014年)には、輸送力増強を目的に新型車両「青い森703系」もデビュー。
仙台地区で活躍するE721系電車に準じた新型車両で、クロスシートも装備されています。
側面には「青い森鉄道」のイメージキャラクター「モーリー」も描かれていますね。
青森を旅すると、もれなく立ち寄ってしまうのが「A-FACTORY」!
青森駅から青函連絡船・八甲田丸のほうへ歩いていくと見えてきます。
この「A-FACTORY」、りんご関係を中心に青森土産がほぼ網羅出来ちゃうスポット。
青森りんごで作るシードル工場も併設され、醸造の様子をガラス越しに見られます。
実はココで作られたシードルが東北・北海道新幹線のグランクラスでも出されます。
青森を「網羅」という意味では、青森にも地の食材を網羅した駅弁が・・・。
「つがる惣菜」が手がける「津軽めんこい懐石弁当 ひとくちだらけ」(1,200円)です。
「つがる惣菜」は新青森駅開業と共に駅弁に参入した五所川原が本拠の駅弁屋さん。
最近は「お魚だらけ」「焼肉だらけ」などの「○○だらけ」シリーズが人気です。
さあ、半年ほど前に投入した新作「ひとくちだらけ」の「ひとくち」とは?
ふたを開けてビックリ!
まるでボンボンショコラのように青森の24の食材が「ひとくち」ずつ小分けになっています。
12くらいに小分けされた駅弁は、今まで全国各地で見てきましたが24になると圧巻の景色!
他の駅弁と共用の物もあるでしょうが、24種盛りということは、24の工程があるということ。
その手間を考えても「ひとくちだらけ」、「だらけ」シリーズの中でも突き抜けてます!
【1列目】
ほたて飯・鍬焼き(鶏肉)・すしこ(津軽の郷土料理)・味噌おでん(生姜味噌)・煮ホタテ・カボチャ餅(津軽のスイーツ)
【2列目】
イナリ寿司(紅生姜入)・牛バラ焼(十和田B級ご当地グルメ)・紅鮭寿司・煮物4点(天然だし使用)・なすしそ巻・黒石焼そば(B級グルメ)
【3列目】
しじみ御飯(十三湖)・豚みそ漬(県産豚)・赤カブ漬・たまご焼(高級もっこりたまご使用)・ホタテ唐揚げ・酢ホタテ
【4列目】
若生おにぎり(太宰の好物)・牛源たれ焼(青森ならではの源たれ)・きゅうり漬・味噌身欠にしん・鶏肉塩焼(桜姫鶏使用)・イカメンチ(ご当地グルメ)
青森のご当地飯って個性が強いので、ガッツリ来られると、他の地域の人には”引き気味”になっちゃう時があるんですよね。
その点「ひとくち」で割り切ったお陰で、お試し感覚で「青森の食」を堪能できるようになりました。
現地購入の場合は「つがる惣菜」へ前日昼までに要予約(0173-35-4820)、弘前駅にて受け取り。
新青森駅改札外の催事で販売することもあるほか、東京駅・大宮駅で出逢えることが多い駅弁。
1,200円で青森をコンプリート出来ちゃう、何ともお値打ちな駅弁でもあります。
食べ終わる頃には、ふたを開けた時のビックリ感が「青森行かなきゃ!」という気持ちに昇華していることでしょう。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/