低金利にプロのチェックをプラス!今、中古住宅が狙い目に!? 【ひでたけのやじうま好奇心】

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まず、この数字なんだと思いますか?
日本では14.7%、アメリカは83.1%、イギリスは87%、フランスは68.4%。
これは、住宅流通に占める中古住宅の割合です。

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日本は家を買うなら、「新築」という傾向が強く、欧米に比べて中古住宅の流通が少ないと言われています。

中古が売れず、少子高齢化という事もあって、今、日本では空き家が問題になっています。
2013年の時点で、空き家の数はおよそ820万戸もあるそうですが、野村総合研究所の予測によりますと、今から17年後の2033年の空き家数は、2.6倍のおよそ2,150万戸へ増加すると見込んでいます。

さすがに、これでは、まずいという事で、日本の政府は、中古住宅が売れる為のテコ入れをはかりました。

その1つが今月から試験的に始まった、空前の低金利の中古住宅向けのローン。
それが、住宅金融支援機構の新タイプの中古住宅向けローン
フラット35リノベ」。

「フラット35」というのは、民間金融機関と住宅金融支援機構が手掛けた、最長35年まで借りる事が出来る長期固定金利住宅ローンの事ですが、その新しいサービスです。
「リノベ」とは「リノベーション」の事で、既存の建物に大規模な工事を行う事で、性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりする事を言います。
そういえば、アメリカなんかでは、家を手入れして、売る時は、買った時よりも、高く売れたって話もありますよね。
つまり、単なる中古住宅向けのローンではなく、リフォーム工事によって、耐震性や省エネルギーといった住宅性能を向上させて一定の基準を満たした中古住宅を取得する場合に適用金利を一定期間引き下げるという制度です。

【フラット35】

【フラット35】 リノベ:長期固定金利住宅ローン (HPより)

この「フラット35リノベ」。該当する中古住宅のタイプは2つあります。

①中古住宅を購入して、自ら性能向上リフォームを実施するリフォーム一体タイプ。
②住宅事業者によってあらかじめ性能向上リフォームが実施された中古住宅を購入するタイプ。

では、政府肝煎りの「フラット35リノベ」の気になる金利はどうなのか?
新築に比べて、住宅ローンの金利が高い事がネックだった中古住宅のリフォームとリノベーション。劇的に金利が抑えられました。
返済期間が15年から20年の場合、初めの10年間の金利は、これまでの中古向けのローン(0.96%)よりも0.6%も優遇されて、何と、0.36%!(2016年10月時点)
返済期間21年から35年でも、はじめの10年は0.42%(通常は1.02%)から利用できます。

ただし、専門家の方にこっそり聴いたところ、この「フラット35リノベ」。
審査は、結構厳しいそうです。
検査機関によって、あわせて3回、住宅の現況や工事計画を検査する事などが条件となっているそうです。

また、金利を優遇する期間も、リフォーム後の住宅性能レベルに応じて、金利引下げ期間が、10年間の「Aプラン」と5年間の「Bプラン」に分かれます。

ただ、これまでローン金利の高さから、中古住宅の購入をためらっていた方には、ありがたいサービスかもしれません。
中古住宅が日本で浸透しない原因は、住宅ローンの他にもありました。その一つが「品質保証」。

新築の場合は10年以内に重大な欠陥が見つかれば、無料で修理する事を義務づけていますが、中古は物件によってバラバラ。
見かけがいいので、買ってみたら、シロアリだらけだったとか、欠陥住宅を購入してしまって、失敗された方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、新たなトレンドになりそうなのが、住宅診断「ホームインスペクション」。
中古住宅の購入を検討する際、「住宅診断」を行う事は先進国の多くで常識。
「いつごろ、どこに、いくらくらいの修繕費がかかりそうか」
「あと何年くらいもちそうか」
などをプロの方に診断してもらうそうです。

さくら事務所

(さくら事務所HPより)

実は、国会でも住宅診断を後押しする法律が今年、改正されました。
「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」という長い名前ですが、2年以内に施行される、この改正案では、不動産取引の媒介契約締結時、重要事項説明時、売買契約締結時に宅建業者は住宅診断に関する説明が義務付けられる事になったんです。

要するに、中古住宅購入後のトラブルを防ぐ為に、住宅診断をやりましょうという流れになった訳です。

では、住宅診断はどんなものでいくらぐらいかかるのか?
住宅診断を手掛ける、東京の「さくら事務所」の方にお話をうかがいました。

【動画】1分でわかる中古一戸建てホームインスペクション

住宅診断は、もちろん、新築購入の際にも利用出来るそうで、診断は一級建築士などの専門家が厳しい目で、ひび割れ、雨どいの状態、水漏れなどをチェックするほか、「オートレーザー」と呼ばれる機械などを使って床や柱の傾き具合をチェック。
基本料金は中古戸建ての場合6万円(税抜き)。
オプションとして、屋根裏の詳細調査や床下の詳細調査があって、屋根裏や床下に入り、木材の乾燥具合、施工や構造の不具合の有無などを詳しく調べてくれるそうです。

住宅ローンのハードルが下がり、プロのチェックで欠陥住宅をつかまされるリスクも低くなって来た中古住宅。
これからは、住まいの選択肢の一つになるかもしれません。

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10月28日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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