旭川駅「蝦夷わっぱ(ミックス)」(1,050円)~稚内まで5時間!最果ての特急「スーパー宗谷&サロベツ」 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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キハ261系・特急「スーパー宗谷」

キハ261系・特急「スーパー宗谷」

午前11時過ぎの函館本線・深川駅に入ってきたのは、キハ261系の特急「スーパー宗谷2号」。
「スーパー宗谷」はその名の通り宗谷本線経由で、札幌と稚内(わっかない)を結ぶ特急です。
この列車は稚内を7時ちょうどに発ち、南稚内、豊富、幌延、天塩中川、音威子府(おといねっぷ)、美深、名寄(なよろ)、士別、和寒(わっさむ)、旭川、深川、滝川、岩見沢の順に停車し、終着・札幌には12:06の到着。
全線を乗り通すと、およそ400キロ、5時間あまりの旅となります。
日本最北端の駅・稚内を目指す“果ての特急列車”といってもいいでしょう。

キハ183系・特急「サロベツ」

キハ183系・特急「サロベツ」

「スーパー宗谷」をサポートするのがキハ183系の特急「サロベツ」。
両者の違いは基本的に車両の違いで、性能の関係で「サロベツ」のほうが所要時間長めです。
また「スーパー宗谷」はグリーン席がありますが「サロベツ」は普通車のみの構成。
以前、通しで乗りましたが、稚内の手前・抜海(ばっかい)付近から眺める利尻島は絶景です!
稚内まで5時間の旅の苦労が、あの絶景で全て報われるような気がします。

忠別川

忠別川

今回は「サロベツ」の自由席に深川~旭川の1駅だけピンポイント乗車。
「サロベツ」は3両編成で、指定席2両、自由席は札幌寄りの1両です。
平日の昼下がりは、自由席でもそこそこ空席があり、ゆったり腰を下ろします。
深川から20分あまり、進行右手に忠別川(ちゅうべつがわ)が見えてくると旭川駅。
早くも雪が降った旭川、うっすら積もった白い雪と赤い紅葉のコントラストが見事でした。

蝦夷わっぱミックス

蝦夷わっぱミックス

そんな旭川の看板駅弁といえば「蝦夷わっぱ(ミックス)」(1,050円)です。
駅弁を手がけるのは「旭川駅立売商会」。
駅弁売場は、旭川駅1階のみどりの窓口と待合室のあるスペースの横です。
立ち食いそば店と併設されており、駅弁は昼前後に入荷したものを売り切っておしまいとなるので、遅い時間に立ち寄る場合は予約が肝要。(冬は18:00閉店)
また日中(10:00~14:00)は、特急「スーパーカムイ」の発車ホームを中心に、台車による販売があります。

蝦夷わっぱミックス

蝦夷わっぱミックス

元々「蝦夷わっぱ」には、具材によって何種類かあったのですが、それらの具材を合わせたのが「ミックス」。
ラーメン屋さんのトッピングでいう「全部のせ」みたいなのが「蝦夷わっぱ(ミックス)」です。
醤油の炊き込みご飯にウニ、酢漬けズワイガニ、いくらの醤油漬け、帆立などの海鮮がズラリ!
これに菜の花大根、茎わかめのしば漬、錦糸玉子が載って、華やかな彩りとなっています。

旭川は内陸ですが、道北をはじめとした海の幸が入荷するといわれ、駅弁も海鮮系多め。
加えて北海道の駅弁屋さんは「催事」が大きなウェイトを占めますから、大都市の人が抱く『北海道=海鮮』のイメージを大事にしているんだろうなと推察します。
きっと旭川周辺では、名物のラーメンや肉料理を味わうことも多いので、駅弁では迷わず海鮮を攻めてみては!?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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