今年3月26日に新青森~新函館北斗間、およそ148キロが開業した「北海道新幹線」。
既に札幌までの工事は始まっていて、新函館北斗~札幌間はおよそ212キロ。
途中、新八雲(仮)、長万部、倶知安、新小樽(仮)の各駅が設けられる予定です。
212キロという道のりは、北陸新幹線で延伸開業した長野~金沢間より少し短いくらい。
長野~金沢間を富山1駅停車の「かがやき」が1時間5分で走破していることを考えますと、新函館北斗~札幌間は最高時速260キロの速達列車で1時間弱といったイメージでしょうか。
札幌開業が待たれる「北海道新幹線」ですが、今のところ2030年度末の予定。
でも、札幌の駅弁にはひと足早く「北海道新幹線弁当」(1,300円)が登場しています。
北海道新幹線開業応援弁当との位置づけで、調整元は「札幌駅立売商会(弁菜亭)」。
札幌駅の駅弁売場では、午前10時から個数限定で入荷します。
割箸もオリジナル包装のこの駅弁、最近は東京駅でもよく見かけるようになりました。
【お品書き】
蟹とイクラのちらし寿し(北海道型昆布添え)
鮭昆布巻き
蟹爪焼き
帆立つみれフライ
イカリングフライ
フキピリ辛炒め
夕張メロンゼリー
新幹線形の駅弁ですが、中身はしっかり大人向けなのが嬉しい!
北海道産米「ななつぼし」を使ったカニとイクラのちらし寿しをメインに、鮭、カニ、ほたて、イカと海鮮もバラエティに富んでいます。
特にほたてとイカは「フライ」にしたことで飽きさせない作りとなりました。
デザートには、しっかり「夕張メロン」のゼリーが入っています。
手に取れば、新幹線で北海道へ行ってみたくなる駅弁かもしれません。
さて、H5系(E5系)新幹線形の容器が4つ・・・気付きますか?
実は少しずつ違います!
最も手前が、札幌駅「北海道新幹線弁当」(1,300円、札幌駅立売商会)。
次が、函館駅「北斗七星」(1,300円、函館みかど)。
その次が、新函館北斗駅「北海道新幹線H5系はやぶさ弁当」(1,250円、吉田屋)。
一番奥は、東京駅「E5系はやぶさ弁当」(1,150円、NRE大増、2011年発売)です。
*こちらの記事でもご紹介させて頂いています。↓↓
7つの地元食材がキラリと光る函館の新作駅弁!~函館駅「北斗七星」(1,300円・函館みかど)
これがH5系だ!~新函館北斗駅「北海道新幹線H5系はやぶさ弁当」(1,250円)
見た目が最も特徴的なのは、函館駅弁の「北斗七星」。
側面は窓が3枚あり、H5系のシンボルマークが大きく描かれています。
加えて、正面もヘッドライトが「点灯」状態になっています。
「北斗七星」の名にふさわしく、似た外観でもキラッと光る存在。
でも、調べてみると、まだまだ違いがありました!
長さ 高さ 幅 志向 価格(購入当時)
NRE大増(東京) 25.5cm 7.5cm 7.2cm 子供 1,150円
吉田屋(新函館北斗) 25.5cm 8.0cm 7.2cm 子供 1,250円
函館みかど(函館) 26.0cm 7.0cm 7.0cm 大人 1,300円
札幌駅立売商会(札幌)27.0cm 7.0cm 7.7cm 大人 1,300円※容器のデータは筆者実測による。
東京で子どもと一緒に北海道に思いを馳せるなら、東京の新幹線駅弁。
函館へ家族で行った時、子供には新函館北斗の「はやぶさ弁当」。
大人は7つの地元食材を盛り込んえバリエーション豊富な函館の「北斗七星」か。
そして手に取った時、一番大きいのは札幌の「北海道新幹線弁当」。
まだ開業していない分、新幹線への期待の大きさが容器の大きさに繋がっているのかも。
新幹線容器1つ取っても、各業者さんがこだわりを持って作っている様子が伺えます。
特に子供たちに人気の高い「新幹線形容器」の駅弁。
親御さんにお願いしたいのは、もしもお子さんが「またはやぶさのお弁当が欲しい」と言った時「前も食べたでしょ!」と決めつけないでいただきたいこと。
見た目には同じように見える“H5系駅弁”でも実は違うんです。
ちゃんと作っている業者さんの名前を確かめた上で「前も食べたでしょ!」と云わなくてはいけないのです。
もしかしたら、お子さんは“違いの分かるお子さん”かもしれないんですよ!
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/