熱海駅「港あじ鮨弁当」(1,180円)~沼津・桃中軒の熱海限定駅弁が登場!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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185系踊り子

185系踊り子

熱海駅2番線に入ってきたのは、185系電車の特急「踊り子161号」。
この列車は、週末を中心に運行される我孫子始発の「踊り子」です。
我孫子を出ると柏、松戸、北千住、上野、東京・・・の順に停車。
常磐線沿線や上野周辺から乗換なしで伊豆へ行ける重宝な列車です。
昭和40年代には、平(現・いわき)始発の臨時急行「常磐伊豆」という列車がありましたので、これが現代版にリニューアルされて甦ったともいえます。

家康の湯

家康の湯

熱海といえば、何と言っても「温泉」!
駅前には一度におよそ25人が利用できる足湯「家康の湯」があります。
徳川家康が大好きだったという熱海の湯、4代家綱以降の歴代将軍は江戸城まで温泉を運ばせたことでも有名です。
「家康の湯」の源泉「熱海389号泉」は、74.2℃、ph7.1、成分総計4,853mg/kgのナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。
高温のため加水されていますが、およそ42℃で掛け流しされており、熱海の玄関にふさわしいクオリティの高い「足湯」です。

熱海駅

熱海駅

そんな足湯もある東伊豆の玄関口・熱海駅は、11/25にリニューアルしました。
目玉は、新しい駅ビル「ラスカ熱海」の誕生。
“ラスカ”とは、茅ヶ崎、平塚、小田原にも展開されているJR系の駅ビルの愛称です。
観光客にとっては、ココを訪れれば伊豆土産がかなり揃うようになったほか、遅い時間まで営業しているレストランも出来ました。
地元の皆さん向けにスーパーなども入ったことで、“普段使い”の物をショッピング出来る場所にもなっています。

港あじ鮨弁当

港あじ鮨弁当

この「ラスカ熱海」の1Fに、NREの新たな駅弁売場「駅弁屋・ラスカ熱海店」が出来ました。
ココに土・日・祝日限定で、新たな駅弁「港あじ鮨弁当」(1,180円)が登場しています。
調整元は、沼津・三島などで駅弁を手がける、明治24(1891)年創業の「桃中軒」。
三島~熱海間は、新幹線で1駅・8分、普通列車でも2駅・14分の距離ですが、沼津・三島の駅弁が熱海で売られるようになったのは、駅弁的にかなり歴史的な出来事なんです。
桃中軒の方曰く「創業125年にして初めて、桃中軒の駅弁が箱根の山を越えた」というんですね。

港あじ鮨弁当

港あじ鮨弁当

【おしながき】
一、にぎわい鯵鮨・・・わさびの葉でくるんだ鯵ずし
一、ぬまづ鯵鮨・・・江戸前の鯵ずし
一、鯵わい太巻き
一、天城紅姫あまご寿司
一、わさびいなり
一、煮物(人参、昆布、こんにゃく、たけのこ)

港あじ鮨弁当

港あじ鮨弁当

実はコレ、以前にも紹介した「港あじ鮨」のスペシャルバージョン
「桃中軒」が誇る寿司駅弁が、鯵・あまご・稲荷と勢ぞろいしました。
『東伊豆を旅する人には、桃中軒の駅弁は“初めて”ということになるので、まずは桃中軒の味を知っていただきたい』とのこと。
十八番の「自分ですり下ろすわさび」も・・・といきたいところでしたが、沼津から輸送販売するにあたり、保存性などの観点からパックのわさびになりました。
でも、それを補って余りあるのが、煮物の「おかず」が付いたこと。
このちょっとした「おかず」が、結構嬉しいんですよね!

東海道線211系

東海道線211系

「桃中軒」の駅弁が熱海で買えるのは、今のところ土・日祝日限定。
この「港あじ鮨弁当」をはじめ「富士山あしたか牛すき焼き御膳」(1,080円)、「鯛めし弁当」(1,000円)の3種が、熱海駅限定仕様で登場しています。
売れ行きは好調のようで、昼過ぎには完売となってしまうこともあるそう。
もしも東伊豆の旅の〆に、熱海で「港あじ鮨弁当」に出逢えたら、次は普通列車で15分だけ足を伸ばして中伊豆・西伊豆の旅を計画してみるのがイイかも。
その時はぜひ、本家「港あじ鮨」などで“生わさびスリスリ”を楽しんじゃいましょう!

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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