秋田駅に停車中の列車は、12:41発の特急「つがる3号」青森行。
特急「つがる」は、奥羽本線の秋田~青森間を1日3往復しています。
充当されるE751系電車は、元々、盛岡~青森間の特急「スーパーはつかり」としてデビュー。
平成14(2002)年の東北新幹線八戸開業後は、八戸~弘前間の特急「つがる」に転身。
さらに、平成22(2010)年の新青森開業に伴って、現在の秋田~青森間の運行に落ち着きました。
同じような顔つきをしたコチラの車両は、新潟~秋田間で運行される特急「いなほ」。
新潟~酒田間がメインの運行で、一部の列車が秋田までやってきます。
充当されるE653系電車は、元々、常磐線の特急「フレッシュひたち」として活躍した車両。
先述のE751系電車は、このE653系をベースに作られた車両なんですね。
ほぼ同世代の姉妹車両が、巡り巡って秋田駅で顔を合わせることになった訳です。
特急発車ホームでは、秋田駅弁「関根屋」の台車売りも健在でした!
やっぱり、この光景を見ないと秋田駅に来た気がしないもの。
小雪舞い込む厳しい寒さの中、ホームに立って駅弁を売る姿には、本当に頭が下がります。
元々、日本海縦貫線を走る特急は、新潟からの「いなほ」、大阪からの「白鳥」が青森まで直通。
「日本海」「トワイライトエクスプレス」など夜行を含め、運行距離の長い列車が目白押しでした。
その名残で今も発車時刻が近く、ある程度、乗り継ぎが考慮されたダイヤ設定となっています。
秋田駅の駅弁は、関根屋の台車売りのほか、駅ビル・トピコに繋がる「トピコ口(ぐち)」の改札脇に関根屋の売店があります。
また在来線改札内にはNRE売店があるほか、新幹線・在来線改札脇にある「NEWDAYS」の駅弁ラインナップもかなり充実しています。
これら各所で販売される関根屋の駅弁の中から、今回は「とり年」特別企画「真冬のみちのく・とりめし雪中行軍」の第2弾ということで、「秋田比内地鶏重」をいただいてみました。
【お品書き】
鶏めし
比内地鶏のそぼろ
比内地鶏の照焼
比内地鶏のミニメンチカツ
比内地鶏のハム
じゅんさい酢
卵焼き
ふき油炒め
こごみ胡麻和え
ごぼう煮
とんぶり入り蒲鉾
錦糸玉子
いぶり漬け(人参)
この駅弁のいいところは、比内地鶏もおかずもバリエーションが豊富ということ。
比内地鶏も定番の照焼きだけでなく、メンチカツ、ハムなど、イロイロな味を楽しめます。
加えて、おかずも“秋田のオールスター”といった雰囲気。
じゅんさいは秋田が生産日本一ですし、秋田の秋の味覚で「畑のキャビア」として知られるとんぶりを蒲鉾で使ってみたり、いぶり漬けは人参でアクセントを付けてきました。
「秋田の味は飽きない!!」・・・そんな思いを感じる駅弁です。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/