音楽の力は、未来への力『天使にショパンの歌声を』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第135回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、1月14日から公開となる『天使にショパンの歌声を』を掘り起こします。

クラシックの名曲に乗せて贈る、希望の物語

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クラシック音楽に彩られた名作映画は数多ありますが、その中に加えたいステキな作品が日本で公開となります。
映画ツウもクラシック通も大注目の音楽エンターテインメント『天使にショパンの歌声を』です。

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1960年代、カナダ・ケベック州にある寄宿学校。
そこは音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する名門校だった。
しかし修道院による運営では採算が合わず、学校は閉鎖の危機に直面する。

校長のオーギュスティーヌは経営側に抵抗し、学校をなんとか存続させようと、ある秘策に打って出ることに。
それは音楽の力で世論を動かすため、音楽イベントを開催することだった。

そんな折、寄宿学校に転校してきたのが、姪のアリス。
オーギュスティーヌは彼女にピアニストとしての天性の才能を見出すも、孤独で心を閉ざしたアリスは、一筋縄ではいかない問題児だった。

生徒と教師たちは様々な困難を乗り越え、やがてイベントの日を迎える…。

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ショパンの「別れの曲」、リストの「愛の夢 第3番」、モーツァルトの「アヴェ・ベルム・コルプス」など、クラシックファンならずとも耳に馴染みのある名曲たちが物語を彩る本作。
登場人物たちの胸中とシンクロすることでストーリーにさらなる深みを与え、まさに<音楽の力>を感じずにはいられない作品となっています。

本作を手がけたのは、長年カナダ映画界を支えてきたレア・プール。
繊細かつ温かな人間ドラマの名手として知られ、本作は第18回ケベック映画賞で作品賞を含め最多6部門を受賞しています。
オーギュスティーヌには、カナダを代表する演技派女優、セリーヌ・ボニアー。
アリスには、モントリオール音楽院に在学中の新進気鋭のピアニスト、ライサンダー・メナード。

劇中の演奏や合唱は、すべて吹き替えなし。
美しいピアノの旋律や天使のような歌声に、心が洗われるようです。

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本作の背景となっている1960年代、それはカナダが国をあげて近代化が推進された時代でした。
女性の権利や自由、社会進出はまだまだ認められてなかったこの時代に、<音楽の力>を信じて自らの人生を切り開いていこう…という、現代にも通じる普遍的なテーマが本作の底辺には流れています。

強く逞しく、そして何よりも明るく、自分らしく生きようとする彼女たちの姿は、観る人に笑顔と勇気をもたらすことでしょう。

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天使にショパンの歌声を
2017年1月14日から角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
監督:レア・プール
出演:セリーヌ・ボニアー、ライサンダー・メナード、ディアーヌ・ラヴァリー、ヴァレリー・ブレイズ、ピエレット・ロビタイユ、マリー・ティフォ、エリザベス・ギャニオン ほか
©2015−8212-9294-9759 QUEBEC INC. (une filiale de Lyla Films Inc.)
公式サイト http://tenshi-chopin.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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