今年3月で、早くも開業20周年を迎える「秋田新幹線」。
平成25(2013)年からは、E6系が「こまち」として活躍しています。
秋田の「なまはげ」や「竿燈」をイメージしたとされる鮮烈な茜色は、今なおインパクト大!
ホームに入ってくると、やっぱりテンションが上がる「赤」ですよね。
デザインの監修は、フェラーリなどで有名な工業デザイナーの奥山清行氏が担当しています。
秋田新幹線は、在来線の田沢湖線と奥羽本線を改軌(レールの幅を変える)した路線。
当時は“ミニ新幹線”と云われましたが、その名残は今も「車体」の大きさにあります。
一回り小さい規格のため、新幹線ホームとの間に出来る隙間をステップで埋めているんですね。
普通車のシートも、在来線特急と同じ「2人掛けー2人掛け」の配置。
シートピッチ(座席の前後間隔)も、新幹線では標準的な1,040mmより、少し狭い980mmです。
今年は、JR各社が発足してから「30周年」の節目でもあります。
秋田駅弁「関根屋」の「秋田比内地鶏のいいとこどり弁当」(1,000円)は、平成19(2007)年のJR東日本20周年を記念して誕生した駅弁。
発売から10年ということは、すっかり秋田駅弁のヒット作の1つになっていると言えましょう。
秋田駅弁の中でも人気の3本指に入るという駅弁、人気の秘密はドコにあるのでしょうか?
【お品書き】
比内地鶏刻み肉
比内地鶏そぼろ
秋田県産あきたこまち白飯
比内地鶏ササミフライ
いぶりがっこ(人参)
がんもどき煮
ぜんまい煮
ごぼう煮
昆布巻き
ふたを開けると、一面に敷かれているのは、醤油と味噌の二段仕込みで仕上げたという比内地鶏の刻み肉とそぼろ。
コレが、粘り気たっぷりの「あきたこまち」の白いご飯とよく合います。
敢えて鶏めしではなく、白飯に抑制したところが、それぞれの素材を活かした「いいとこどり」に繋がった感じがします。
ちなみに、比内地鶏のササミフライは、1羽から2本しか取れないという貴重なものだそうです。
秋田新幹線「こまち」は、東京~盛岡間でE5系「はやぶさ」と併結。
新幹線最速の時速320キロで走り抜け、盛岡から単独で“のんびり”と走ります。
真冬の「こまち」は、真っ赤な車体と白い雪が映える素晴らしい時期。
時速320キロで雪煙を上げて走る様子もよし、盛岡以北のまったり走る様子もいい景色です。
秋田の温かい温泉と美味しいものを目指して、20周年の「こまち」に揺られてみては!?
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/