さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、レディースデイにオススメの一作。
1月21日から公開となった『マギーズ・プラン -幸せのあとしまつ-』を掘り起こします。
ちょいコジレ系、大人の奇妙な三角関係コメディー
ニューヨークの大学で働くマギーは、妻子持ちの男性と恋に落ちる。
相手は、文化人類学者のジョン。
仕事ひとすじで家庭を顧みない妻のジョーゼットに愛想を尽かしたジョンは、離婚を決意。
マギーと再婚する。その数年後、ジョンとマギーは娘にも恵まれ幸せな生活を送っているように見えたが、実はマギーはジョンとの生活に不安を感じていた。
小説家になるために、ジョンが仕事を辞めてしまったからだ。そんな中、ジョーゼットとも親しくなったマギーは、ジョーゼットが今でもジョンを愛していることに気付く。
そこでマギーは“夫を前妻に返す”という、とんでもない計画を思いつくが…。
男女の三角関係を描いたドラマやラブコメディーは数あれど、言わば“略奪結婚”した夫を前妻に返す…という発想は斬新というか、突拍子もないというか…。
本作を手がけたのは、女優・小説家としても活躍するレベッカ・ミラー。
著名な劇作家アーサー・ミラーの娘で、繊細な人間描写に定評ある女性監督です。
おせっかいで、いわゆる“こじらせ女子”?!
男性との仲が半年も続かないマギー役を演じるのは、グレタ・ガーウィグ。
ふたりの女性の間で揺れ動く、ちょっぴり頼りないダメ男。
ジョン役に、イーサン・ホーク。
仕事をバリバリこなすキャリアウーマン、同性から見ると憧れさえ感じる前妻ジョーゼット役に、ジュリアン・ムーア。
どのキャラクターもいい大人なのに、どこかしら自分勝手で不器用…。
でもどこか憎めず、人間味あふれる人物としてスクリーン上に存在するのは、名優たちのきめ細やかな演技によるところでしょう。
どうしようもなく落ち込んだり、思うようにいかないことだってある。
筋書きどおりにいかないからこそ、人生は面白い。
そんな前向きな気持ちにさせてくれる、後味も爽やかな一作です。
マギーズ・プラン -幸せのあとしまつ-
2017年1月21日から全国ロードショー
監督・脚本:レベッカ・ミラー
出演:グレタ・ガーウィグ、イーサン・ホーク、ジュリアン・ムーア ほか
©2015 Lily Harding Pictures, LLC All Rights Reserved. © Jon Pack, Hall Monitor Inc.
公式サイト http://maggiesplan.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/