秋田駅「白神鶏わっぱ」(1,050円)~五能線「リゾートしらかみ」の旅②【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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リゾートしらかみ「くまげら」編成

リゾートしらかみ「くまげら」編成

五能線のほぼ中間にある、青森県の「深浦(ふかうら)駅」。
波の音がホームまで届く、海の見える駅です。
秋田を14:17に発った「リゾートしらかみ5号」は、追分、八郎潟と奥羽本線を走り東能代へ。
五能線に入って、あきた白神、岩舘、十二湖、ウェスパ椿山と停まり、深浦には16:35着。
5時間の行程のほぼ半分となるココで3分ほど停車し、乗務員の交代などが行われます。

深浦駅で「リゾートしらかみ」同士の交換

深浦駅で「リゾートしらかみ」同士の交換

深浦駅では、秋田行の「リゾートしらかみ4号」との交換(すれ違い)が行われます。
特に単線区間を走る列車の場合、列車のすれ違いは、鉄道旅の醍醐味!
この日の4号は、去年(2016年)にデビューしたばかりの「橅(ぶな)」編成がやって来ました。
「リゾートしらかみ」の場合、「JR東日本」のHPで、どの列車にどの編成が使われるか、予め発表されていますので、編成に合わせて列車を選ぶことも出来ます。

雪がしんしんと降り積もる五所川原駅の「リゾートしらかみ」

雪がしんしんと降り積もる五所川原駅の「リゾートしらかみ」

五能線で海が見られるのは、秋田・青森県境のあきた白神から、青森の鰺ヶ沢付近まで。
「リゾートしらかみ」で海を見たい場合は、「A席」を指名買いしたいもの。
なお2号車は、ボックス席となりますので、A席とD席が海側になります。
訪れた日は、鰺ヶ沢から先で、本格的な雪に・・・。
列車はいよいよ津軽平野の真ん中・五所川原にやって来ました。

白神鶏わっぱ

白神鶏わっぱ

「リゾートしらかみ5号」の五所川原到着は17:49。
終点・青森の到着は19:14で、まだ1時間半近くあります。
空いている時は、車内販売のお世話になるのが賢明ですが、万が一「完売」していた時のために、秋田で多めに駅弁を買っておくのも1つの手。
秋田駅弁・関根屋の「白神鶏わっぱ」(1,050円)も、「リゾートしらかみ」ゆかりの駅弁です。
包装にも、しっかり五能線の路線図が描かれていますよね!

白神鶏わっぱ

白神鶏わっぱ

【お品書き】
比内地鶏刻み肉
比内地鶏そぼろ
みず
舞茸煮
とんぶり入焼蒲鉾
じゅんさい酢の物
ハタハタ甘露煮
しじみ佃煮
いぶりがっこ(人参)
白神の塩と比内地鶏ガラスープの炊き込みご飯

白神鶏わっぱ

白神鶏わっぱ

「白神の塩」と「比内地鶏のガラスープ」で炊いた「鶏めし」が特徴。
「白神の塩」は、世界自然遺産・白神山地の水源が注ぎ込む八峰町沖の海水を薪炊きボイラーで煮詰めた手作りの塩だそうで、まろやかな味わいが出るのだそう。
この鶏めしにハタハタ・じゅんさいなど秋田らしい食材と、しじみなど青森らしい食材がミックスされて「五能線らしさ」を演出しています。
少量でたくさんの食材が食べられる、中高年にも嬉しい鶏めし駅弁といえましょう。

五能線のキハ40・普通列車

五能線のキハ40・普通列車

降りしきる津軽の雪の中、五所川原駅に反対列車の17:53発深浦行がやって来ました。
中・高生が下校する夕方の通学列車は、少し長めの3両編成。
五所川原駅の時刻表を見ると、この列車の前に深浦方面へ向かう列車は、観光列車の「リゾートしらかみ4号」を挟んで、13:54発の深浦行までありません。
およそ4時間ぶりとなる貴重な普通列車に、多くの地元の方が乗り込んでいきました。

リゾートしらかみ「くまげら」編成

リゾートしらかみ「くまげら」編成

「リゾートしらかみ5号」は、五能線の終点・川部から一旦、弘前に戻ってから青森へ向かいます。
今回は平日午後の乗車でしたので比較的落ち着いた車内でしたが、休日を中心に午前の列車は車内のエンターテイメントが充実しています。
特に鰺ヶ沢~五所川原間では「津軽三味線」の生演奏が行われたり、津軽弁の「語り部」の方による実演が行われる列車もあります。
コチラはまた沿線の温泉などと合わせて、ご紹介することにしましょう。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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