JR東海の電化区間ではおなじみの313系電車。
名古屋地区の東海道線では、快速電車を中心に、進行方向に向かって座席の向きを変えられる転換クロスシートの車両が主に活躍しています。
基本は6両編成、朝夕は2両を増結した8両編成も登場して、主に豊橋~大垣間を運行。
時間帯によって、東は浜松、西は米原まで足を伸ばす列車もあります。
東海道線は、豊橋~岐阜間で名鉄線と競合することもあり、速達サービスが充実。
日中は概ね15分おきに、快速電車がやってきます。
所要時間は、名古屋~岐阜間で19~20分程度、名古屋~豊橋間で50分ほど。
そんな名古屋地区を走る特別快速のイメージカラーは「黄色」。
東海道新幹線「のぞみ」のイメージに重なり、速達性をアピールしているように感じます。
さて、駅弁の「黄色い食材」といえば、幕の内弁当の“三種の神器”の1つ「玉子焼き」。
ただ、駅弁における玉子焼きは、あくまでも名バイブレイヤーのポジションで落ち着いていることが多いのですが、名古屋には「玉子焼き」がメインの駅弁がありました。
その名も「名古屋柳橋右大臣の玉子焼き弁当」(1,200円)。
調製元は「だるま名古屋工場」で、名古屋の台所・柳橋市場で半世紀以上の歴史を誇る玉子焼屋さん「右大臣」とコラボした駅弁です。
センターにドーンと玉子焼き」が鎮座しています。
ココまで“玉子焼き推し”の駅弁は、新青森の「つがる惣菜」で見て以来のような気がします。
加えてエビの炊き込みご飯、わかめご飯、赤しそふりかけご飯という3つの味のご飯が楽しめるのも有難いところ。
比較的こってり系が多い“名古屋めし”の中にあって、落ち着いた胃に優しい駅弁です。
発売されたのは、去年(2016年)の6月24日。
名古屋で有名な玉子焼きといえば、何と言っても「右大臣!」ということでコラボされたそう。
「右大臣」にはだし巻きなどもありますが、駅弁には最もベーシックなものを使用。
柳橋市場まで足を伸ばす余裕がない方には、こういう駅弁の存在はとても有難いもの。
「名古屋だるま」によりますと、名古屋の“食ツウ”の方を中心に注目を集めているそうです。
駅弁も競合店があることで、新作の開発にも一層力が入るものと思われます。
その中で、駅弁屋さんと老舗のコラボレーションは「1+1=2」以上の魅力を発揮する可能性を秘めています。
名古屋の駅弁屋さん各社では要注目の“コラボ駅弁”です。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/