ケヴィン・コスナー×ゲイリー・オールドマン×トミー・リー・ジョーンズ『クリミナル 2人の記憶を持つ男』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第157回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、2月25日から全国ロードショーとなる『クリミナル 2人の記憶を持つ男』を掘り起こします。

迫真のタイムリミット・スパイアクション

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CIAロンドン支局のエージェント、ビリーが極秘任務中に死亡した。
彼は米軍の核ミサイルさえも遠隔操作可能な恐るべきプログラムを開発した謎のハッカー“ダッチマン”の居場所を知る、ただ一人の人物だった。

“ダッチマン”の脅威から世界を救う唯一の手段は、禁断の脳移植手術によって、ビリーの記憶を他人の脳内に移植すること。
その移植相手に、死刑囚のジェリコ・スチュアートが選ばれる。

移植後、記憶が失われるまでのタイムリミットは、48時間。
凶悪犯である自分自身の記憶とCIAエージェントであるビリーというふたつの人格がせめぎ合う中、ジェリコはテロリストとの壮絶な闘いに足を踏み入れるが…。

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道徳心のかけらもなく、人を愛したことさえなかった凶悪犯に、正義感あふれる別人の記憶を移植したことで、闘いに巻き込まれていく…。
死んだ人の記憶を追いかけることで事件を解決する…というストーリーテリングは『セルフ/レス』や『秘密 THE TOP SECRET』など、最近話題となった作品が思い浮かびますが、これが脳科学の観点では決して不可能ではない技術だということを踏まえると、SF映画上のフィクションだと一括りに片付けられないリアルさを感じます。

監督を務めたアリエル・ヴロメンは、実録犯罪映画『THE ICEMAN 氷の処刑人』でもその的確な演出力が評価された人物。
本作でもサスペンスフルなスパイアクションとしての迫力と繊細な人間ドラマを見事に融合させ、生々しい臨場感が観る者を支配します。

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それにしても、ハリウッドのミドル世代の活躍には目を見張るものがあります。
主演のケヴィン・コスナーはじめ、ゲイリー・オールドマンにトミー・リー・ジョーンズ。
皆さん、日本で言うトコロの“枯れ線”と呼ばれる世代ですが、枯れるどころかオトナの色気が漂い、アクションのキレもまだまだ若いモンには負けてません!

そこにいまが旬の俳優 ライアン・レイノルズが加わることで、さらにオトコの色気がムンムン。
レイノルズが『セルフ/レス』に続き、“死人”役を演じているというのも、個人的ツボです。

そして男臭いドラマほど実は大切なのが、美人女優の存在。
今年公開の超話題作『ワンダーウーマン』の主役に抜擢されたガル・ガドットがエキゾチックな美しさを放ち、ハリウッド・エンターテイメントの黄金律が見事に成立しているのも、映画ファンの食指が動く一因となることでしょう。

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スパイ、アクション、CIA、ハッカー、テロリスト、記憶移植…。
映画好きが好きなキーワードをてんこ盛りにしながらも、それ以上にしっかりと存在感を見せつけるベテラン俳優勢。
やっぱりこの手のハリウッド映画は、理屈抜きに楽しめますね。

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クリミナル 2人の記憶を持つ男
2017年2月25日から新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:アリエル・ヴロメン
出演:ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ガル・ガドット、ライアン・レイノルズ ほか
©2015 CRIMINAL PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.
公式サイト http://criminal-movie.jp/

連載情報

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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