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左からE531系、E657系、E501系
JR常磐線・水戸地区で活躍する3つの電車。
共通するのは、直流電化、交流電化両方の区間を走れる電車であるということ。
常磐線は茨城県石岡市に気象庁地磁気観測所があるため、取手より北が交流電化なのです。
特急のE657系電車をセンターに、左にE531系電車、右にE501系電車。
E657系を黄門さまとすれば、E531系は助さん、E501系は格さんといったところか。
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水戸駅北口・黄門さま御一行
水戸駅北口のベストリアンデッキにある、黄門さま御一行で確認。
左で手を挙げているのが助さん、右が格さんですよね。
そんな3人と3つの電車が揃う「水戸駅」の駅弁にも、思わず黄門さま御一行になぞらえたくなる「3つの駅弁」があるんです。
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ローズポーク 豚べん
その3つの駅弁とは・・・「牛べん」「豚べん」「磯べん」!
コチラは「牛べん」が黄門さま、「豚べん」が格さん、「磯べん」が助さんといったところか。
「磯べん」のほうが、ちょっとデビューが遅いですからね。
「牛べん」は前回ご紹介、「磯べん」は昨年6月にご紹介しましたので、今回は「豚べん」(1,000円)にスポットを当てていきましょう。
調製元は、もちろん「しまだフーズ」です。
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豚べん調製風景
北海道居酒屋「北のしまだ」南町店で作られている「しまだフーズ」の駅弁。
「豚べん」は、前回ご紹介した「牛べん」とほぼ同じ工程で作られていきます。
違うのは、盛り付けられた白いご飯にかけられるのが、特製の味噌だれであること。
そして、肉が茨城県産のブランド豚「ローズポーク」であることです。
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豚べん調製風景
豚肉が整えられ、湯葉巻き、煮玉子が添えられて「ローズポーク 豚べん」の完成。
透明な蓋で閉じられると、紙包装が施され、消費期限のステッカーが貼られます。
限られた場所、限られた時間、限られた人数で、効率よく調製が行われていきます。
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ローズポーク 豚べん
茨城県の県の花・バラにちなんで名付けられたブランド豚「ローズポーク」。
肉質は弾力があり、きめが細かく、柔らかいのが特徴と云われています。
「ローズポーク 豚べん」は肩ロースを使用し、特製味噌だれをベースに仕上げられています。
この味噌だれの効き具合が、冷めても美味しい豚肉を生み出す秘密。
茨城産の豚肉を茨城産米でいただくわけですから、触れ込み通り、相性は抜群です!
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ローズポーク 豚べん
平成23(2011)年発売開始の「ローズポーク 豚べん」。
「しまだフーズ」の島田拓郎社長によると、この駅弁がよく出るのはいわき駅の売店なんだそう。
また、拠点となる水戸駅の売店でも「牛べん」より「豚べん」の人気が高いのだとか。
恐らくは、豚肉が好まれる食文化の違いではないのかと社長は分析されています。
そんなことなどあって「豚べん」は、東京駅などでの販売はなく、水戸周辺限定の駅弁。
せっかく水戸を訪れたのなら、地元じゃないと買えない「豚べん」を選べば、ちょっと駅弁ツウ。
帰りの「ひたち・ときわ」では、いい匂いをいっぱいさせて頬張っていきましょう!
次回は「しまだフーズ」の島田社長に話を伺いながら、より水戸駅弁を掘り下げていきます。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/