さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、5月6日から公開の『赤毛のアン』を掘り起こします。
世代を超えて愛される不朽の名作が、スクリーンに帰ってきた!
赤毛でソバカスだらけのやせっぽちの女の子。
お世辞には美人とは言えないけれど、豊かな想像力と軽妙なトークでたちまち周囲の人を虜にしてしまうアン・シャーリー。
世界中で親しまれ続けているL・M・モンゴメリによる児童文学小説「赤毛のアン」。
これまでにも何度も映像化・舞台化されているアンの物語が、再びスクリーンに帰ってきました!
プリンス・エドワード島に住む年配のマシュウとマリラの兄妹は、孤児院から男の子を引き取ることに。
ところが二人が暮らす「グリン・ゲイブルス」にやって来たのは、赤毛の少女アンだった。手違いが起こってしまったことに戸惑いを隠せない兄妹だったが、明るいアンの楽しいおしゃべりに惹き込まれ、彼女を家に置くことにする。
想像力が豊かで実直なアンは、騒動を起こすこともしばしば。
親友のダイアナやライバルのギルバートとの出会いや周囲の人々との交流を通じて、やがてグリン・ゲイブルスに欠かせない存在になっていく…。
カナダのプリンス・エドワード島を舞台に、少女アンが巻き起こす騒動や彼女の成長を描いた普及の名作「赤毛のアン」は、1908年に出版され、世界的ベストセラーとなりました。
日本では翻訳者の村岡花子の半生を描いたTVドラマ「花子とアン」が話題になったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
今作の特徴は、原作を生み出したカナダが製作国であるということ。
主人公のアンに抜擢されたのは、オーディションで選ばれたカナダ出身のエラ・バレンタイン。
若干18歳ながらも、ミュージカル「レ・ミゼラブル」トロント公演でコゼットを演じた実力派。
アンのトレードマークの三つ編みがよく似合って身のこなしも可愛らしく、まるで小説の中から抜け出たよう。
さらに、アンの良き理解者マシュウを『地獄の黙示録』などで知られる名優マーティン・シーンが、厳格だけど心優しいマリラをカナダで活躍するベテラン女優サラ・ボッツフォードが好演しています。
花が一斉に咲き誇る春から白銀の冬まで、世界一美しいと言われるプリンス・エドワード島の四季を背景に、愛情深く紡がれたアンの世界。
本作の製作総指揮を務めるのは、原作者であるモンゴメリの孫娘、ケイト・マクドナルド・バトラー。
原作の持つ世界観を伝えるのにもっとふさわしいとも言える人物が参加することで、満を持しての決定版とも呼べる劇場版になりました。
プリンス・エドワード島の土が赤い理由、ダイアナの酔っぱらい事件にギルバートとの大喧嘩。
少女の頃に触れた「赤毛のアン」の世界が生き生きと息づいていて、童心に返ること間違いないでしょう。
不朽の名作とは、世代を超え世紀を超えても味わい深いものですね。
赤毛のアン
2017年5月6日から新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:ジョン・ケント・ハリソン
出演:エラ・バレンタイン、サラ・ボッツフォード、マーティン・シーン ほか
©2015 GABLES PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト http://www.anne-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/