さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、5月6日から公開の『追憶』を掘り起こします。
降旗康男×木村大作、映画界のレジェンドが9年ぶりにタッグを組む!
富山湾を臨む氷見漁港で、ひとりの男が刺殺体となって発見された。
被害者は、川端悟。
富山県警捜査一課の四方篤が、かつて少年時代を過ごした旧友だった。1992年、冬の能登半島。
親に捨てられた13歳の篤は、似た境遇の田所啓太、悟と共に喫茶店を営む仁科涼子と山形光男のもとで家族同様に暮らしていた。
しかしある事件がきっかけで、彼らは離ればなれになってしまう。あれから25年、刑事となった篤は思わぬ形で悟と再会を果たす。
やがて捜査が進むうちに、ある容疑者が浮かび上がる。
それは、もう一人の幼なじみ啓太だった…。
『鉄道員(ぽっぽや)』『あ、うん』などの名作を生み出した日本映画界の黄金コンビ、降旗康男監督と木村大作キャメラマン。
高倉健さんをはじめ時代を代表する映画俳優を撮り続けた“映画界のレジェンド”とも呼ぶべきふたりが9年ぶりにタッグを組み、新たな歴史を刻もうとしています。
映画『追憶』は、完全オリジナルのヒューマンサスペンス。
ひとつの殺人事件をきっかけに、刑事・容疑者・被害者として再会を果たした幼なじみたちの人生と運命を描き出します。
四方篤役に岡田准一、田所啓太役に小栗旬、川端悟役に柄本佑。
幼なじみを演じる俳優三人のトライアングルが素晴らしく、じっくりと絡み合う演技がストーリーに深みを与えています。
さらに長澤まさみ、木村文乃、安藤サクラ、吉岡秀隆と日本映画界を支える俳優たちの共演が実現。
この極上の顔ぶれ、「これ以上のキャスティングはない!」と観る者を唸らせることでしょう。
荒ぶる日本海、立山連峰を望む町並み、能登半島に沈む真っ赤な夕陽、咲き誇る桜並木。
“語りかけてくる”ようで圧倒される、木村キャメラマンが撮る映像。
陰影深く“人間”を浮き彫りにする、降旗監督が描くドラマ。
古き良き日本映画のスタイルを追求し、いまの時代に活躍する俳優を撮った本作は「“映画界のレジェンド”が“次の世代”に伝統を受け継いでいる作品」という位置づけにも取れる。
観終わった後、ジワジワと沁みる映画です。
追憶
2017年5月6日から全国東宝系にてロードショー
監督:降旗康男
撮影:木村大作
出演:岡田准一、小栗旬、柄本佑、長澤まさみ、木村文乃、安藤サクラ、吉岡秀隆 ほか
©2017映画「追憶」製作委員会
公式サイト http://tsuioku.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/