日本原子力開発機構で作業員が超高濃度内部被爆!高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/8(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

専門家でも人体への影響について皆目見当がつかない
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

日本原子力開発機構(JAEA)大洗研究開発センターの高速実験炉「常陽」=20170304茨城県大洗町・共同通信社ヘリから空撮 写真提供:共同通信社

日本原子力開発機構(JAEA)大洗研究開発センターの高速実験炉「常陽」=20170304茨城県大洗町・共同通信社ヘリから空撮 写真提供:共同通信社


プルトニウムの保管容量の確認作業での事故

茨城県大洗町の、日本原子力開発機構の施設で、作業員5人に放射性物質が付着した事故で、5人の内、4人が内部被爆していたことがわかりました。5人に特段の症状は出ていないものの、放射性物質の体の外への排出を促す薬剤が投与されました。

今回事故があったのは、茨城県大洗町にある、日本原子力研究開発機構の、大洗研究開発センターです。この大洗には、機構が再稼働を目指している、高速実験炉「常陽」などがあるほか、福島第一原発の廃炉に関する研究もしています。この機構は元々、動燃(動力炉・核燃料開発事業団)だったのですが、1995年の「もんじゅ」でのナトリウム漏れ事故があり、それから組織改編を繰り返してきています。今回事故の起きた、一昨日(6日)の午前中は、男性作業員5人が、センター敷地内の燃料研究棟1階の部屋にいました。この部屋には「フード」と呼ばれる、大型冷蔵庫程度の大きさの施設があります。この施設の中に、ステンレス製の貯蔵容器があり、この中にかつて実験で使われたプルトニウム酸化物およそ300グラムが、ポリエチレン容器に入れられて保管されていました。このポリ容器は、さらに2重のビニールバッグに包まれていたのです。5人がこの貯蔵容器に「あとどのくらいプルトニウムの保管容量があるのか」を確かめようとフタを開けたところ、突然黒っぽい粉末が貯蔵容器から飛び散った、ということです。この粉末は「フード」と呼ばれる設備内にとどまらず、部屋中に飛散したということです。この「フード」の前に、職員2人。そして、残る協力企業の3人は少し離れた部屋の中央部分におり、5人とも防護服を着て、ゴム手袋の上に綿の手袋を被せ、そして半面マスクで顔を覆っていた、とのことです。5人の内、50代の機構の職員の肺から、22,000ベクレルの放射性物質、プルトニウムが計測され、ほかの3人の肺からも14000~5600ベクレルのプルトニウムが測定されました。残る1人も、内部被爆の疑いが濃厚です。5人は千葉市の放射線医学総合研究所の医療施設に搬送され、当面入院し、放射性物質を身体の外に排出する、薬剤の投与を続けるとのことです。この肺から22,000ベクレルのプルトニウムが計測された50代の男性職員は、放射性物質を鼻から吸い込み、気管支を経て、血液に入り込み、内蔵や骨にも取り込まれた可能性もある、と推定されています。この男性は最初の1年間での被爆量が、「1年で1.2シーベルトに達するだろう」と言われています。一般の人がふつうの生活で被爆する線量の限度というのは、年間、1ミリシーベルト。1シーベルトの1,000分の1ですから、1.2シーベルトがいかに高いか、ということです。原始機構の担当者は「ビニールバッグが破裂したのは想定外だった。半面マスクは顔をずらすと隙間が出来る可能性がある」と、このように釈明していますが、安全管理はどうだったのか、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、昨日の会見で次のように述べています。

記者)安全への意識というものについて、今回の事案でどのように見られたでしょうか?

田中委員長)今回のことも含めてですが、やはり少し問題意識は持っていますけれど、なかなかそういったものというのは、直らないな、というのはあります。

森田)「もんじゅ」の事故なども起きて、今回の機構の事故。茨城県東海村で2人が死亡した臨界事故は外部被爆だったのですが、今回は内部被爆。治験も少ないので、癌の確率もどれくらい上がるのか、その辺もよく分からない状況です。


なぜ放射性物質が部屋中に飛び散ったのか

高嶋)昨日のニュースの後に専門家が出てきて、「いままで聞いたこともない、22,000ベクレルというのは初めてだ」と。これは、仕事の内容というのは、確認作業をしていたのですか?

森田)はい。かつて「常陽」で使った燃料の屑のようなものを、26年間保管していたようなのですが、それを開ける作業をしていたとのことです。

高嶋)ビニールバッグが破裂したということは、相当古くなっていた、ということですか?

森田)そこにどうもガスが溜まっていて、ヘリウムガスが破裂したのではないかという可能性が指摘されています。ただ、なぜ部屋中に飛び散ったのか、それからマスクが不完全なものだったことについてはどうだったのか、そういったところが疑問として残ります。

高嶋)なるほど。こういうのは私には想像がつかないのですが、山本秀也さんは、この事故をどう捉えていますか?

山本)まさに「想定外」とはおっしゃりますけれど、想定外が起きるのを想定して作業に当たるのが、こうした研究機関ですよね。そうしてみると、説明になっていないと思います。

高嶋)この人は助かるのですかね? 全部出すことは出来るのか。大丈夫かな……

森田)キレート剤という薬を使っているのですが、この有効性がどうなのか、あるいは、肺洗浄もした方がよいのではないか、という医療専門家もいます。

高嶋)ほかの方は、そこまででは?

森田)まだそこまでではないのですが、治療方法としては、内部被爆ですから、同じように外に派出する薬をいま投与されているのです。


徹底的に検証するべきである

高嶋)目に見えないというのが、何だか非常に怖いですね。

山本)それが放射線物質の一番怖いところですよね。しかもα線を出すものが身体の中に入ると、体内被爆が非常に怖い状況になりますから。まずは被爆された作業員の方の治療がもちろん最優先ですが、どうしてこんなことが起きたのか、徹底的に検証するべきですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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