安倍総理、内閣改造で半数以上の閣僚を入れ替える方針~目玉人事はなし!【高嶋ひでたけのあさラジ!】

By -  公開:  更新:

7/12(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

麻生副総理兼財務大臣や菅官房長官らの留任はほぼ決定
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

第3次安倍再改造内閣

【政治 第3次安倍再改造内閣】初閣議後の記念撮影に臨む安倍晋三首相(中央)と閣僚ら=2016年8月3日 首相官邸 写真提供:産経新聞社

内閣改造で19人の閣僚の半数以上を入れ替え

安倍総理大臣は来月3日にも実施する内閣改造で、19人の閣僚の半数以上を入れ替える方向で検討に入りました。大幅な改造によって閣僚の失言などが招いた東京都議会議員選挙の惨敗からの局面の転換を狙います。また岸田外務大臣が改造に合わせ閣僚を退任する意向を周囲に伝えているということです。

安倍総理は来月8月3日にも行う内閣改造で今19人いる閣僚の半数以上を入れ替える方向で検討に入りました。
安倍総理は今月の9日に外遊先のスウェーデンでは内閣改造について記者団に「骨格をコロコロ変えるべきではない」とした上で「安定感あるベテランやこれまでの発想に囚われない改革突破力のある人を登用したい」と述べておりました。
麻生副総理兼財務大臣、それから菅官房長官らの留任はほぼ決まったと言われております。それから自民党の高村副総裁、二階幹事長の続投も念頭にあると見られております。
一方岸田外務大臣は最近側近に対し「長くやっているし、もう十分だ。閣外へ出たい」という考えを伝えたということです。自民党が野党時代に国会対策委員長を務めた経験のある岸田外務大臣は、党3役に就任してポスト安倍に向けた足場固めを図りたい思惑があると見られています。岸田さんの後継の外務大臣には茂木政調会長を推す声があるのですが、岸田外務大臣の側近の中には「安倍総理から続投を求められれば断れないかもしれない」というこういう声も出ております。

この他、松野文部科学大臣ら学校法人加計学園問題に関わる閣僚の交代論が与党内では膨らんでいるのですね。一方民進党は昨日この加計学園問題で、官邸事務方トップの杉田官房副長官や総理の友人である加計孝太郎加計学園理事長ら7人の証人喚問を求めております。
これに対し菅官房長官は否定的です。昨日夕方の記者会見です。

菅官房長官)国会のことは国会でまずお決めになることだという風に思います。また総理ご自身が何か指摘があればその都度真摯に説明責任を果たして参りたい、このように言われています。今後とも政府全体として様々な機会を通じて真摯に説明責任を果たし、国民の信頼を回復していけるよう努めていきたい、このように思います。

加計学園問題 このままの幕引きではさらなる世論の反発を招く

この加計学園問題の真相究明に消極的な国会対応については更なる世論の反発を招きかねないという声がありまして、ある公明党の幹部は「安倍総理が説明しないままの幕引きは国民目線からかけ離れている」と述べておりまして、予算委員会での集中審議実施を促しております。また内閣改造も政権のイメージ回復に結び付くかどうか未知数でして、自民党の中からも「党内の入閣待機組の期待に応えられないと不満が蓄積する」という声も漏れています。
またこうした中自民党の東京選出の国会議員の有志の中からは下村都連会長の辞任表明を踏まえ、開かれた会長選挙を行うよう求める要望書を都連に提出しています。都連会長もまだ決まっていないという状況です。

 
これまでの危機感を感じ取れていない安倍総理

高嶋)素人ながら私なんかが見ていると、安倍さんは今までで最大の危機なのではないかという感じがするのですけど。プロである鈴木哲夫さんはどういう風な分析をされておりますか?

鈴木)私も今回は深刻だと思っています。それは何が深刻かというと、世論の空気というのか、なぜ支持率が下がって、何を世論はノーと言っているのか。そこをどうも感じ取れていという、そこに乖離がある気がする。
例えば安保法制のときもすごく支持率が下がりましたよね。だけどこれ国民はどこに反対しているのかというのを官邸も安倍さんも把握できている。だからそれに対して一体何をすれば良いかというようなことを噛み合って対応はできてきたような気がする。だからその後支持率が挽回した。
だけど今度の場合はどこに国民が不信感を持っているのか。例えば説明責任だとか、これはよく石破さんが言うのだけど「何か変だよね」とか「何か嫌だよね」とか、そういうところが批判されているというのを感じ取っていない。
感じ取っていれば今何をすべきかって、これはやはり関係者を全部国会に出して、閉会中審査でも良いけれども、総理も出て来てきっちりやる。こういうのを1回でピシッとやるのが今は一番だろうなと思うのに、どうもそこが批判されているところを感じ取れていない。

高嶋)あれは感じ取れていないのですか? 分かっているけど「それを言っちゃあお終いよ」になるから、今さらおめおめ雁首並べてそんなことはできやしないのだという、そういうことではないのですか?

鈴木)でも分かっていればどういう風に戻すかということで何をすべきなのかというのは当然出て来る。だからまだそこまで深刻に考えていない。
これは都議選のときに僕は言ったかもしれないのだけど、秋葉原で演説をやったじゃないですか。あのときはすごく安倍さんに「辞めろ辞めろ!」って言って、確かにあれは激しかったですよ。安倍さんがそれに対して「こんな人たち」と言って、これは話題になりましたけど、実はもうひとつの光景として、安倍さんとしては聖地秋葉原ですよね。
安倍さんはあそこで演説すると100%応援団で囲まれるのだけど、自民党の運動員が日の丸の小旗を配るのですよね。「皆振って下さい」って。あれがいっぱい余っていたのですよ。

高嶋)そうなのですか。あれは自民党の人が観衆に渡しているのですか?

鈴木)そうです。あれはいつも捌けるのですよ。それが山ほど余って、僕の知っている運動員が僕のところに「鈴木さん、ありますよ」って言って持って来たくらい。だから僕はそのときにとても感じたものは、要するに浸透している不信感、政治不信に近いようなものが来ているのかなというのをすごく感じたのですね。騒ぎだけがクローズアップされましたけど、そういう不信感をどういう風に拭うのかというのを、やっぱりやるべきことをやる、真摯にやる。
つまり稲田さんだってやっぱり更迭しなきゃ駄目ですよね。これは次の改造が近いからって野放しにしても駄目だし、こういうところだと思うのですよね。その辺を安倍さんがもう一度ゼロから考えてやらないと、改造しただけでは中々厳しいかなというのが僕の中での感じですね。

 
来月8月の内閣改造での支持率回復は厳しいか?

高嶋)そんなにすごいのかと思ったのが、例の萩生田官房副長官“ご発言”。あれが堂々まかり通って、あの高級官僚たちの震え上がりったらありゃしないじゃないですか。要するに辞めちゃった前川さんだけは度胸があって、怖い物が無いから本当のことを言っているという感じがするのですけど、後は皆知らぬ存ぜぬ、出す資料はのり弁ばかりということで。しかも国税庁長官になったのはあいつかよと。ああいう一々白けることをやるのですよ。

鈴木)そうなのですよ。だからそういうところがもうズレていますよね。本当に今の国民の不信感というのを分かっていればそういうことはまずやらないだろうし、やっぱり出すべき人間を国会の場に、政府の責任でトップが出すと。そこで食い違ったって良いのですよ。

高嶋)だから前川さんが和泉洋人さんとか図星で言っている訳ですから、当然その人は出て来て、他にも何人かいますよね。だから今野党側が要求している人を全部並べて、もう本当に最初からの加計問題を真っ向からやった方が良い。だって安倍さんがいきなり「確認しろ」って言ったのではないですからね。それは明らかですよね。

鈴木)当然言った・言わない、イエス・ノーと対立はしますよ。でもそれでも良いのです。それをしっかりと緊張感を持って当人同士が委員会の場でやり合うことによって国民は判断できます。

高嶋)そこでどういう風に安倍さんが出て来るか分かりませんけれども、今のところはカードとしては内閣改造しか無くて、これを来月の3日にやって世論は逆転していくと思いますか? 思いませんか?

鈴木)私はひとつ難しいと思うのは、良い意味でも悪い意味でも骨格を変えないというところなのですよ。
例えば麻生さんとか菅さん、もちろんこれは適任ですよ、ガバナンスなどを考えれば。でも目玉人事というのは幹事長が変わるとか、例えば官房長官が変わるとか、女性が副総理になるとか。ここがある意味ずっと変わっていない。これは正しいことであるしプラスなのだけど、変わらないことによって逆にインパクトもまた弱まってしまうと。だから今の状況の中で果たしてどれだけ支持率のポイントを挽回できるかというと、ちょっとこれは分からないなという感じがしますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top