記録がなく、記憶にもない~加計学園問題【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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7/25(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

加計学園問題目立った進展なし~獣医学部新設計画については白紙にしない
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

和泉洋人

【閉会中審査】衆院予算委員会の集中審議で、小野寺五典元防衛相の質問に答弁する和泉洋人首相補佐官。右は安倍晋三首相=2017年7月24日午前、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

昨日の閉会中審査、知らぬ存ぜぬばかり

安倍晋三総理大臣は昨日の衆議院予算委員会で、学校法人加計学園の獣医学部の新設計画を巡る問題について「国民の疑念を晴らすため、何ができるか真剣に考えたい」と述べました。ただ計画を白紙にすることは考えていないとし、問題への具体的な対応策についての言及もありませんでした。

高嶋)今日は参議院でありますが、安倍さんは危機を脱したというように取るのでしょうか。まず昨日の予算委員会の模様ですが、いろんな問題点を孕んでおります。ニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。

森田)昨日の衆議院予算委員会では和泉洋人総理補佐官の働きかけがあったかどうかに関して当事者たちの主張が噛み合いませんで、目立った進展はありませんでした。参考人招致された文部科学省の前川喜平前事務次官は、去年の9月9日に和泉さんに呼び出され「総理の口からいえないから私が言う」といわれたと主張しましたが、和泉さんは真っ向から反論しました。

前川前事務次官)「総理は自分の口からは言えないから、代わって私が言うのだ」という話がございました。

和泉総理補佐官)「総理が自分の口から言えないから私が代わりに言う」。こんな極端な話をすれば面会の記憶は残っていますが、そういった記憶は全く残っていません。従って言っておりません。

森田)このように和泉補佐官は面会は認めましたが、記録がなく記憶にもないと働きかけを否定しました。注目の対決は言った言わないの水掛け論に終始した形です。一方、柳瀬唯夫経済産業審議官は、安倍総理の秘書官当時だった一昨年の4月に愛媛県今治市の職員と官邸で面会した可能性について「覚えていない」と連発しました。

今井議員)首相秘書官当時、柳瀬氏は今治市の担当者に「希望に添えるような方向で進んでいます」という趣旨の話をしています。一昨年の4月ですね。「絶対に誘致できる、さすが加計さんだ。総理にも話ができるんだ」と盛り上がったと証言をしておられます。

柳瀬審議官)お会いした記憶はございません。覚えてはございませんので何とも言いようがありません。

森田)民進党の今井雅人議員とのやりとりでしたが、今治市側は官邸を訪れたことを認めております。この他、松野博一文部科学大臣は去年の11月、加計学園の当時の新設交渉に対して文部科学省側が懸念を示し、改善を求めた内容が記載された『加計学園への伝達事項』と題した文書の存在を認めました。この文書には「国際的な特色を出す具体的な取り組みが十分に示されていないので再検討いただきたい」と加計学園側に記載されています。松野大臣はこれまでこの文書について「存否を含めて明らかにできない」としておりましたが、昨日の委員会ではこの文書の存在を認めました。安倍総理としては加計学園の獣医学部新設計画については白紙にすることは考えていないと昨日述べています。


刎頚(ふんけい)の友に対して「そんなことは一言もいっていない」

高嶋)記憶にない、覚えていないということは、裏を返せば「これは言えません」と。率直に感じたのは、額を集めてみんなで作戦を練った最中で、ここを蟻の一穴でひとつでもぷちゅっと破られるとドバっと庇いきれないほど大きな嵐になるのではないか。例えば和泉補佐官の「総理が言えないから私が言う」のも、あったにしても絶対に言わない。総理自身も何度も加計理事長との会食やゴルフをやっていて、刎頚(ふんけい)の友という長い付き合いで、ましてや安倍さんが苦戦しているときにもいろいろな形で応援してくれていた。そういう恩義が十分にある人に「獣医学部についていよいよ念願のあれを出すことになったから」という連絡が一言もないし、安倍さんも「そんなことについては一言もいっていない」と。そんなことが通ると安倍さんは判断されたのでしょうけど、この辺の不思議さはどう取りますか?それから柳瀬さんの今治は認めているのに言っていない。全部知らん顔ですよ。

富坂)裁判みたいに弁護士から「何も言うな」といわれて来ているのかなと。1年間以上国政選挙がないとか、野党が弱いとか。これは一過性のことなのでちょっと時間が過ぎれば大丈夫と考えているのかもしれませんね。日本はしばらく政敵を攻撃する形で、マッチョな自分を見せて頼りがいがあるなと票を取ってきたという政治がしばらくあったので。橋下徹さんもそういう感じかもしれません。敵を明確につくることは小泉さんのときから始まった気がしますけど、このやり取りの裏でひとつ時代が終わったと見えますよね。もうこういう感じの政治ではなく、オールジャパンでできるような匂いがこのやり取りの中からでてこない限り、この問題だけを消化したところで対応にはならないと思います。


本日参議院予算委員会、民進党からは蓮舫代表が質問

高嶋)今日は参議院ですけど、どんな人が?

森田)蓮舫代表などが質問に立つことになっています。

高嶋)攻める方もこれといってありませんからね。

森田)そうですね。今日も水掛け論に終わってしまう可能性が残っています。

高嶋)安倍総理自身が閉会中審査に予算委員会で応じようとなったのは、自分の支持率が腰が抜けたように下がってしまい、8月3日の内閣改造だけだと収まらないので一回やっておこうと。昨日と同じような知らぬ存ぜぬばかりをテレビで見せられて、国民の支持率の回復に繋がると思いますか?

富坂)そこの視点がずれている感じがします。与野党の攻防からすり抜けられたことと、国民に対してきちんと説明できたということは根本的に違うので、そこをもう少し受け止めた方がいいと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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